名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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裏切り《1/2》(新快前提 白→快)
※キホン日常話の延長です。2011.9.8『逢魔が時』続編のつもりなんですが…(+_+)。
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僕には信頼を得たい相手がいた。
その相手とは、クラスメートの黒羽快斗。

しかし、僕は彼に裏切られ続けている。

まず、話しかけようと近付くことが出来ない。敏(さと)い彼は、僕の気配を察するとすぐに背を向け行ってしまう。

それならと帰り道に待っていても、あっさり裏をかかれて何時までも待ちぼうけを喰らうことになる。


あの日の夕刻─────〝逢魔が時〟に、僕は偶然黒羽に触れるチャンスを得た。
教室の机に突っ伏して眠り込んでいた黒羽を捕らえて口付け、その無防備さを指摘し、警告したのだ。

それから彼が以前にも増して僕を警戒するようになったのは、当たり前と言えば当たり前の成り行きだった。つまりは、この現状は自業自得。
再び彼が隙を見せたなら、もっと深く彼を探りたい。
そう密かに欲求を募らせながら、しかし僕はあれ以後全くといってよいほど黒羽に近付けていなかった。

〝日常の彼〟を知らず、彼と隔絶した日々を送っていれば、ここまで鬱々と過ごすこともなかったかもしれない。
しかし、もはや僕にとって黒羽のいない日常は考え難かった。

朝の教室で、クラスメートと共に明るい陽を浴びる黒羽の姿を見付ける────その一時。僕がどれだけ安堵し、胸をときめかせているか…黒羽は想像もしてないだろう。

出来ることなら黒羽に寄り添い、彼の声を聞き、彼の吐息を感じ、彼の生命を身近なものにしたい。
そして僕が彼の〝理解者〟のひとりであるということを、彼自身に認めて欲しい。

片想い。よく聞く単語だ。これがそうなのかと冴えない想いを当てはめてみる。
呼び止めても相手は振り向きもしない。なのに諦められなくて。
たとえ相思相愛の仲になれなくても、せめて自分の想いを解ってほしい──などと願って無駄に足掻いてみたりする。

その裏にはもちろん、黒羽が心を通わせる相手に対する嫉妬が渦巻いているのだ。
黒羽の想い人。黒羽と相思相愛の人物。工藤新一。

一度だけ、黒羽と工藤が二人でいる姿を見た。
学校帰りの工藤が江古田高校に黒羽を訪ねて来たのだ。

有名人の工藤を一目見ようと集まった生徒たちの人垣の中を並んで駆け抜けてゆく二人を、僕は他の生徒たちに混じって見ていた。
僅かに覗いた黒羽の横顔は、工藤に何か文句を言いながらも、明るく輝いていた。それは決して僕には向けられることのない貌なのだ。そう思った。






白馬くーん、ちょっと来て~。

昼休み、廊下で呼び止められて振り向くと、黒羽の幼なじみの少女が僕に向かって手を振っていた。

「なんです?」

どじ快斗が足挫いちゃって。

「え?」

階段へ続く廊下の角を曲がると、黒羽が屈んで足を抑えながら『アホ子ばか大丈夫だって』などと怒鳴っている。歩み寄る僕と目が合うと、あからさまに〝マズい〟という顔をして頬を硬直させた。

「転んだんですか?」

「ちげえ。アホ子が急に呼ぶから」

渋々という体で黒羽が呟く。

ちょっとぉ、青子のせいにしないでよ。快斗が階段で背伸びして何か覗いてたんじゃない。快斗のエッチー。

「ざ、さけんな! なんでエッチなんだよっ」

「……」

幼なじみに噛みついて、黒羽は頬を膨らませた。
この位置から背伸びして黒羽が見ていたもの。推理するまでもない。歩いてくる僕を見かけてここに隠れ、僕が行き過ぎるのを待っていたのだろう。そこへ背後から来た幼なじみに声をかけられ、慌てて黒羽は段差から足を踏み外した…。

「ふふふ」

「なんだよ。笑うな、バーロォ」

ねえねえ白馬くん、私日直だから行くね! 快斗を運んだげてくれる?

「わかりました」

パタパタと走り去る幼なじみを見送り、黒羽は舌打ちして立ち上がった。

「もう行けよ、白馬」

「しかし、頼まれましたし」

「大したことねーよ。歩ける…」

足を踏みだした黒羽だったが、左脚に体重をかけた途端にイテ!と声を上げて体を傾けた。

「支えますよ。保健室で湿布してもらいましょう。おんぶしますか?」

「いらねーっ。付いてくんな!」

ヒョコヒョコと壁に手を着きながら歩く黒羽の後ろを、ゆっくりと付いてゆく。
挫いた足は案外ひどいようだ。

「肩に掴まって下さい」

〝青の女神〟がせっかく与えてくれたチャンスなのだ。黙って引き下がる気にはなれなかった。
僕は黒羽の左腕を掴むと自分の首に掛けさせた。自然に体が寄り添い、右腕は黒羽の腰に回す形になる。

「おいっ」

「少しの辛抱です。保健室まで直ぐですから」





裏切り《2/2 》へつづく
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※スススミマセン。中途半端感ありありですが、ここで一回分けときます~(+_+)


●拍手連打御礼●
嬉しいので羅列しちゃいます(^_^;)。
「月光ラヴァーズ」「ハッピー・スウィート・ニュー・ イヤー」「月光という名の真実」「ウルトラキッス」「月光リフレクション」「ホワイト・マジック・クリスマス」「閃光(改)」「★こういうこと」「★交錯1」「黒の鎖」「真贋」「リセット」「誘惑」さらに「恋人は怪盗」「共犯者~秘密の恋人」「千年の孤独」「堕落」「easy」など… 初期のものにも色々拍手いただきまして感激です。妄想パワー、補充させていただきました~!(^^)!!

●『ひとりごと/月が美しい!』へ同意拍手下さった方、ありがとうございます!
葉様、そうなんですよー、お月様ってその時々でいろんな顔を見せてくれて、見つける度にどきどきするんです。いつか三角の翼が輝く月を横切るんじゃないかしらって妄想してしまいます。快斗くん話大歓迎です。また是非おいで下さい~(#^_^#)。

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