名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
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ブラックジョーク(2/2)
(新快前提)白馬→快斗

ダークサイドストーリーです。
ご留意のうえ閲覧下さい。
――――――――――――――――



悪い冗談であってほしい。

悪夢だとすれば、一刻も早く覚めてほしい。

しかし意識はあっても、周囲の様子がぼんやりと分かっても、体の自由は利かず目も見えない。

目は――見えるのかも知れないが、これが現実であることを理解するのが怖くて――目を固く閉じているので、何も見えない。


ベッド……だろう、横たえられて信じられない成り行きにおののく。


本気、なのか。白馬……。

やめてくれ。お願いだ……。


のしかかってくる影の重さに、のどの奥から引きつった悲鳴が漏れる。
声も出ない。出ないが、息を吐くたび(ああ)と、嘆きのような呻きになる。

フフ、という白馬の含み笑いが耳元にかかる。

『――言ってごらんなさい。工藤くんとはどんなふうに抱き合うのです。どうされるのが好きなのか、僕に言ってごらんなさい。声は出るはずですよ。目も見えるはずです。目を開けて…僕を見なさい!』


できない。

できない――!


首を振ったが、振ろうとしたが、ダメだった。

白馬の怒りに気圧されて、気持ちが萎えてしまっている。俺が悪いのか。俺のせいで白馬にこんな事をさせてしまっているのか。
だったら俺はもう――どうなろうとあまんじて白馬の怒りを受け止めるしかないのか。

『今から君は僕に抱かれるのです。どうされたいのか言えないなら、僕がやりたいようにやらせてもらうだけです。それでよいのですね』

そう言って俺の制服のボタンに指をかけ ――
あとは……あとはもう、ただ、白馬に翻弄されるだけだった。

冗談でも夢でもないことを体を貫く重い衝撃に思い知らされ、心にも体にも深く穿たれ刻まれて――たぶん、俺は泣きながら……声になったか分からないが、白馬に何度も許しを請いながら――しかし許しを得ることができないまま、揺すられ、なぶられ続けた。










教室だった。

自分の机。
蛍光灯が一列だけ点いている……。
夜だ。窓の外も、廊下も暗い。

こんな時間まで、いったいどうしていたのだろう。頭が重くて、なぜ学校にいるのか思い出せない。

痺れた頭をなんとか持ち上げると、俺以外に人影が一つ、離れた席に座っているのが見えた。


はっとして、凍りつく。


白馬――――!



朦朧とした中で受けた衝撃を、きつく掴まれた腕の痛みを思い出す。全身が瘧(おこり)にかかったように震えた。

立ち上がったが、脚に力が入らず、ガタンと大きな音をたてて床に転んだ。


――白馬が立ち上がって振り向く。


俺を見下ろして微笑んだ。


「どうしましたか、黒羽くん。立てないのなら、家までお送りしましょうか」


蛍光灯の影になって、白馬の顔がよく見えない。

俺は……震えながら必死で立ち上がった。ふらつくのを懸命にこらえて教室を走り出る。
体中が、曖昧な記憶が夢でなかったことを俺に解らせようと軋んだ。

背に残る白馬の静かで醒めた眼差しに唇を噛みながら、自分の足音だけが響く真っ暗で恐ろしい校舎の廊下を、俺はただ、ひたすら逃げた。






20111017

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