名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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左手(1/2)新一×快斗
――――――――――――


左手の傷が、やっと痛まなくなった。

しかしナイフで貫かれた痕は薄く盛り上がって色が変わっているので、なかなかサポーターが外せない。

たまに〝左手どうしたの〟と訊かれるが、適当な事を言って誤魔化していた。



人が見れば、ナイフで刺された痕だと判るだろうか…? 何度も踏みつけられ、歪んで見える。


――見つめていると、この傷を負った日のことを思い出すので、結局自分に対しても隠しておくためにサポーターを付けておく。

いつまでもこうしてはいられないのだが……。




前回の〝ヤマ〟は、何が何でも首尾よく行う必要があった。
おそらく目を付けていただろう〝例の男たち〟に、先日捕まえた学生(俺)とキッドは『別人』だとハッキリ思わせる必要があった。
結果は上々。
左手の怪我は、誰にも気付かれなかったはずだ。

…探偵にも分からせたかった。
俺が大丈夫なこと。
怪盗キッドに、探偵の心配など無用だという事を。




さて。
お次の犯行予定は再来週だ。しかし展覧会は今日から始まっている。さっそく一回目の下見に向かう。


まだ犯行予告も出していないので通常の警備だ。週末の初日だからそれなりに混んでいる。

通路。出入り口。非常口。窓。天井。照明。通風口。その他いろいろ。頭に入れておく。
獲物の位置。これは予告を出したら警備の配置とともに移る可能性があるので、直前にもう一度様子を見に来る必要がある。
どんな仕事にも下準備は大切だ。
マジックなら…怪盗なら、なおさら――。

背後に人が立った。

知らん顔をして歩く。
今はどこにでもいる大学生といった変装をしている。素顔ではない。

しばらくしても背中を追う視線が消えないので退散することにする。警備会社の男だ。おかしい。怪しまれるような素振りをしたつもりはないのに。

会場を出て走りだす。

さっきのヤツが追ってくる。何故だ?

一瞬迷ったが上に向かう。追ってくるのがどんなヤツか、ちょっと確かめておきたかった。



超高層ビルの屋上。
翼を広げれば簡単に逃げられる。
油断は禁物だが、相手の人相をチェックするために隠れて待った。


あれ?

……来ない。おかしいな。

ついてきてると思ったのに――。



しばらく様子を見たが男が現れないので息を吐いて立ち上がった。

なんでぇ。ちったぁ使える警備員もいるんだと感心したのに。時間の無駄だったか…。



「動くなっ、キッド!!」



あっ、と思った時には突然背後に現れた何者かに左手を掴まれていた。

体を捻って体勢を変えようとしたが、今度は顔のマスクに手が掛かる。ヤバい。
とっさに体当たりをした。男も俺もひっくり返った。

マスクからは手がはずれたが、左手はまだ掴まれたままだ。頭に来て男の顔を覗き込んだ。






えっ………





男の手が俺の顔のマスクに伸び、変装を暴く。


「捕まえたぜ、キッド。……快斗」


俺の左手を掴んで放さないシツコイ野郎は―― 工藤だった。





つづく

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