名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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不法侵入《1/3》(昴×快斗)
※単独パラレル、沖矢さん視点
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灯りを絞った二階の廊下で〝影〟が動く。

侵入者の背後をとると、黒衣の〝彼〟は振り向かず前を向いたまま小さく舌打ちをした。



「黒羽くん、でしたか。今夜はまたずいぶんと遅い来訪ですね。あいにく家主は昨日から戻っていません」

遅い───というのは少し言い方が違うかもしれない。窓の外は既にうっすらと明るく、夜明けが近付いている。
そしてこの屋敷の主とは、もちろん高校生探偵・工藤新一のことだ。

「アンタこそ、なんでこんな時間に服着て普通に起きてんだよ。それに、こないだも言っただろ。早くこっから出てけって!」

虫の居所が悪いのか、のっけから怒鳴られて苦笑する。

「前にもお伝えしたはずです。同じ説明はしませんよ…理由があってここに居るのですから。君こそ不法侵入なのではありませんか?」

僅かに歩み寄る。だがまだ手を伸ばしても届く位置ではない。
彼は半分だけ振り向き、横顔でわたしを睨み付けた。薄明かりの中で瞳が煌めいている。

「アンタが居ると──工藤はどうだか知らねーけど、俺は落ち着かなくヤなんだよ。アンタが言う理由が本当なら、ココじゃなくて隣の家に居るべきだろ!」

まあ、それは確かに。
しかし警護の対象者の側に居すぎるのも、それはそれで弊害がある。特にわたしの正体を隠している現状では。

『………?』

業を煮やしたように少年がわたしに向き直る。そのとき、ふと薬品の臭いが鼻をついた。

「おや、怪我をしましたか。君のことだ、医者には診せてないのでしょう」

「…!!」

言い当てられた事に腹を立てたのか、或いはわたしの存在自体に堪忍袋の緒が切れたのか。
少年は驚くような素早さでわたしに殴りかかってきた。

危うく鼻先を拳が掠める。

無言で避けて半身を引き、最低限身構えると少年は抑えきれない感情を吐き出すように言った。

「てめえの正体は解ってんだ。なんだかんだ言って工藤にベッタリくっつきがって!」

「ふふ。つまり君がわたしを良く思わないのは、家主とわたしの信頼関係を妬ましく思っているから…ですね」

突然、少年が目の前から消えた。

瞬きをした、ほんの僅かの間に。

わたしは思わず反撃していた。本能的に。












「…やれやれ。わたしとしたことが」

気付けば〝彼〟は昏倒して床に倒れていた。
勝手に体が動いてしまったので、加減など出来るわけもない。

我に返って少年を助け起こしたが、少年は完全に意識を失っていた。

介抱するために少年を抱き上げると、その体の軽さにまた驚いた。
背格好は工藤新一と変わらないが、サッカーを嗜む彼と比べてかなり華奢だ。細い。

あらためて大人気(おとなげ)ない事をしてしまったと反省する。
だが。
本当に手加減する余裕などは無かった。
そんなことをしていたら、昏倒していたのはわたしの方だっただろう…。


わたしがあてがわれている部屋に入り、少年をベッドに横たえると、彼は『うう』と唸って腹を抑える仕草をした。
また、おや…と思う。

わたしが打ったのとは明らかに違う場所だ。
わたしは暫し考え、少年が負っている怪我の程度を確かめることにした。

深入りはタブーだという警鐘は強く胸に響いていたが、それ以上にこの黒羽という少年の湛える──工藤新一とは正反対の──蒼い秘密に、わたしは魅入られてしまっていた。






不法侵入《2/3》へつづく
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※以前いただいたリクエスト《昴×快斗》が目標なのですが、ど、どうしよ~…って、ここまできたらやるっきゃないですよね? ガンバリます(..;)。


●拍手御礼
「閃光(改)」「月光という名の真実」「恋患い」「拉致」「ダブルムーン」「サカナ嫌い2」「噂の二人」「Love cuffs」「《特別パラレル》ルパン三世VS怪盗キッド」「another purpose─目的─」、カテゴリ★交錯 各話へ、拍手ありがとうございました!



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