名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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不法侵入《2/3》(昴×快斗)
※単独パラレル
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深入りはタブーだという警鐘は、強く胸に響いていた。

だが、それ以上にわたしはこの黒羽という少年が持つ蒼い秘密に魅入られてしまっていた。




・ ・ ・ ・ ・ ・ 



誰かが………


髪に…、触れてる…。


俺の髪を、そっと…撫でている。





(……?)




目を開けると、天井の照明が目に入った。

眩しい。

逆光に人影。俺を見下ろしている。

誰だ…?

ここは──どこだ。

今はいつ…。

水面に浮き上がるように少しずつ覚醒してくる。

天井。窓枠。ああ…そうか。

ここは工藤の家だ。

俺は、工藤を訪ねてきた。

訪ねてきて──それから。

ここは…? だけど、ここは工藤の部屋じゃない。

「あ…!」

目の前の男のシルエットに、ようやく記憶が甦る。

「動くな。急に立つと危ない」

起きようとした俺の肩を、男が片手で遮る。
沖矢昴。いや、コイツの正体は。

それよりも自分の姿に言葉を失った。
シーツを掛けられてはいたが、俺は裸でベッドに寝かされていたのだ。

「失敬して傷を診せてもらった。右腹の方は肋骨にヒビが入っているかもしれない。それから左腕の傷は塞がってはいるが…銃創とはな。あまり無茶をするもんじゃない」

俺は沖矢から顔を背けるのがやっとだった。

自分で仕掛けた挙げ句、返り討ちに遭ったのだ。

傷よりも痛い。

この男に──俺は多分敵わない。
怪我をしてなかったとしても、結果は同じだっただろう。
介抱までされて。みっともなくて、情けなくて堪らない。

(くそっ)

俺は沖矢の制止を振り払い、ベッドから立ち上がった。

だが、踏み出そうとした脚が利かない。
目の前がチカチカして、沖矢にドンとぶつかった。

「だから言っただろう」

ふらついた体を沖矢に抱き留められる。

「少しここにいなさい。わたしは薬と新しい包帯を取ってくる」

「いらない。放せ」

もがいても体にはやっぱり力が入らず、沖矢の腕から逃れられない。

「君はいつもそんなに頑(かたく)ななのか。少しは大人の言うことを──」

「なにが、おとな…っ」

怒鳴ろうとしたが、怒鳴れなくて俺は息を詰まらせた。

温かいものに口を塞がれていた。

沖矢の唇に。



混乱する。

涙が出る。

情け無くて。子供扱いされて。

それなのに、俺を支える沖矢の体躯とその確かさに覚えていたのは──安堵だった。








・ ・ ・ ・ ・ ・



何故なのか。

今さら自問自答しても遅かった。

わたしはこの少年に、言葉でなく伝えたいことがあった。

だからといって、こうした〝手段〟が〝大人〟として褒められたものでないことは十分解っている。
解っているが、一度触れてしまったら後戻りは出来なかった。

わたしは少年を愛しむために、彼を再びベッドに横たえた。






不法侵入《2/3》へつづく
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「月光という名の真実」「蹴撃」「名探偵に負けないように」「アゲイン」「さざなみ」「不可侵領域」「5000メートル」「ノープラン~ヨコハマ・デート」「突き指」「不法侵入《1/2》」へ、拍手ありがとうございました。

●名無し様、雫水さま、拍手コメントありがとうございます。お返事は次回に…m(_ _)m


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