moonlight 新一×快斗

ダブルムーン《1/3》（新一×キッド）
カテゴリ★こういうこと
ムチャぶり探偵とオクテ怪盗のおかしな恋物語的シリーズのさらに続編。目指すは《R18》なんですが、今回は…？(*_*;

※琥珀さま、ますのさま、拍手コメントありがとうこざいます！ この記事内のコメント欄に御礼を追加させていただきましたー！！
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あれから二度目の満月が訪れた。

〝あれから〟というのは、探偵と約束したあの日から数えて…ということだ。

今夜はよく晴れている。月の輝きを遮るものはまったくない。つまり───言いわけ出来ない。

仕方なく、俺はドキドキしながら探偵の邸宅に向かって歩いていた。頭上の蒼白い月明かりに照らされて落ちる自分の影を踏みながら、一歩ずつ。

なんで歩いてるかって？

だってさ。
いまさらヤロウのためにわざわざ怪盗の姿で行くなんて癪だし。だからといってチャリで一目散に向かうほど積極的にもなれない。だから。

……なんだろ、この汗。
ジーンズのポケットに突っ込んでた手のひらが、いつの間にかじとばんでる。

深夜に差しかかろうとする夜道。街はひっそりと静まりかえり、吹き抜ける風はいくぶん涼やかだ。けして暑くはない。だけどてくてく歩きながら心拍数が徐々に上がってきているのが自分でハッキリ分かる。
恐れているのか、期待しているのか。自分でもいまだに判らない。

───いや。

やっぱりコワい。

あのムチャぶりヤロウ、逢えば絶対難癖をつけて俺をいたぶるに違いないんだ。
それが分かってんのに俺ってば…(T_T)。

ため息を付きながら探偵の瞳を思い出す。どこまでも冴えて胸を貫く、工藤新一の真っ直ぐな眼差しを……。

どきんどきんと心拍がさらにでかくなる。
情けなくてたまらないが、やっぱり俺はあの探偵に逢いたいんだ。なんでか分かんないけど。
セックスの相性だとかそんなレベルじゃなくって……なんていうか、もっと根幹的な───まるで避けられない運命のように。最初からこうなると決まっていたかのように────。






目を瞑り、震える指で〝えいっ〟と玄関の呼び鈴を鳴らした。すぐにインターホンが通じて、ボタンを押した指がびくっとしちまう。

『快斗か』

「……ああ」

低い探偵の声。イキナリ本名で呼び捨てられた。
怒ってんのかな。めっちゃコワい。
けど、俺まだホントに自分の正体を認めたつもりはない。ないけど、流しとく。否定しても探偵の探求心を煽るだけだ。

『上がってこい』

…ブチ。不気味な穏やかさでインターホンが切れた。
こ、こええよぉ～ (ToT);;;

重々しい立派な玄関の扉を開くと、ギイィと音が邸内に反響した。
階段上からの灯りが影を落とし、エントランスを薄明るく照らしている。

吸い込まれそうな静けさ。自分の鼓動で地震かなと思うくらい全身が震えてる。
えーいくそっびびるな、俺は怪盗キッドなんだぞ。ポーカーフェイスを忘れるなっ！

階段を上りながら覚悟を決める。

俺は、自分で逢いたくて来たんだ。

工藤新一に────。







ダブルムーン《2/3》へつづく

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※もたもたしているうちにブログ開設一周年を過ぎてしまいました(汗)。ご訪問下さった方々とキッド様・快斗くんに感謝です (^-^)！
※ますのさま、『花言葉』に拍手コメントありがとうございました！ コメント欄に追加したお返事読めましたでしょうか……？ PC版だとリンクボタンが分かりにくいんですよね…(*_*;

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