名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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ダブルムーン《2/3》(新一×キッド)
カテゴリ★こういうこと
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工藤邸の二階へと階段を上りながら覚悟を決める。

俺は、自分で逢いたくて来たんだ。
工藤に────。

階段を上りきる手前で工藤の部屋のドアを見た。……少し開いている。
だが隙間から漏れてくるのは部屋の灯りではなく、闇だった。

「…………」

なんでだろう。さっき見上げた時には点いていたはずだ。
一歩二歩と近付きながら、急に不安に襲われる。


このドアの向こうに、本当に工藤は居るのだろうか……?


体を震わす鼓動を宥めながら、懸命に五感を働かせる。
この闇は……俺を陥れる罠なのか?

ドアの手前で立ち尽くした。
ノックすべきか。名を呼んでみるべきか。

────開けたら物陰から工藤が襲いかかってくるとか。
それとも────
まさかの先客がいたりして。
我ながら突拍子ないと思いながら、想像したらぐらぐらした。

先客。このタイミングで他に誰かいるとしたら……それはつまり、探偵の〝恋人〟だ。〝本物〟の。

もし───もし、万一そうだったら、俺は……。

ゴクリと息をのんだ。

そうだ。自分だけが特別だって、どうして言える?
もしそうなら……俺は────探偵にいいように誘き出され、何度か〝情を交わした〟単なる遊びの相手。
いいや。遊びならまだいい。それどころか、面白おかしく扱われ、からかわれただけの単なる〝玩具〟だったら────。

ぎゅっと目を瞑る。
なんでこんな想像しちまうんだ、いま。
ここまで来ておいて。自分で自分を貶めるようなことを、どうして考えちゃうんだよ。

だったら、どうだっていうんだ。
初めからそうだったも同然じゃねえか。

なのに俺は……囁かれる工藤の言葉にいつの間にかその気になって。〝恋人気取り〟になっていたのは、俺の方だったんじゃないのか。
待っててくれるものと勝手に思い込んで意地を張って……約束を引き延ばしたりして。大馬鹿なのは俺の方だったんじゃないのかよ。

時間にしてみれば、たぶん10秒かそこらだろう。だけど俺には気が遠くなりそうな〝間〟だった。


この場をやり過ごして逃げ出せば、これ以上近付かなければ、これまでどおり〝探偵〟と〝怪盗〟でいられる。
だけど……それでいいのか、俺。
逃げ出すのかよ。傷つくのを怖れて。工藤から。自分の想いから。

ドアのノブに手を伸ばす。
指先が痺れたようになって感覚が遠い。どこからか自分を哄う声が聞こえてくるようだ。


俺は……ドアを開けた。






静寂の中に現れたのは、ゆるく風に吹かれ窓際に立って空を見上げる工藤だった。

月明かりにシルエットが青白く輝いている───。


静かに工藤が振り向いた。


部屋に入った俺の方へ、その手を差しのべて……微笑むのが判った。

俺は走り寄っていた。何も考えられなくなって。工藤が俺をちゃんと待っててくれたことがうれしくて。

工藤に抱きつくと、工藤も俺を抱き締めてくれた。


そして、俺たちはキスをした。
一方的なキスじゃない。
想いを通わせ合ったことを確かめる、相手を想う……恋人同士の甘い甘いキスを。






ダブルムーン《3/3》へつづく

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※うわあぁ引っ張ってスミマセン(@_@);; もうちょいつづけちゃいます……(汗汗)。


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