名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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オブザーバー《2/3》(新一×キッド)
カテゴリ★インターセプト
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「警部、怪盗キッドがこちらに向かって逃走している模様です。どうしますか?」

刑事たちの会話が耳に入った。

────怪盗キッドだ! あそこに!

夜空を翔ける怪盗キッドの白い翼。一課の刑事たちも色めき立つ。遠くパトカーのサイレンが響き、徐々にその音量を上げていた。

「工藤くん、どうしたの?!」

「佐藤刑事、乗せてください」

「私と高木君はキッド班の支援に行くのよ。ここは工藤くんの推理のおかげで証拠も見つかったし、警部に言って誰かに送ってもらったら?」

「あの…えと、T駅で落としてもらえると助かるんですが」

「同じ方向だからいいけど…。高木君、後部座席に移って」

ええ? と高木刑事が困った顔をする。

「文句言わない! 少しの距離じゃないの。日本警察の救世主を後ろに座らせる気?」

「高木刑事、すみません…」

「あ、は、は。大丈夫、慣れてます」

佐藤刑事の愛車は後部座席が極端に狭い、ほぼツーシーターと言っていい構造なのだ。窮屈そうに斜めになって収まった高木刑事に詫びて、オレは助手席に乗り込んだ。







屋上へ出た。
視界に白いマントの後ろ姿が飛び込む。途端に惹き付けられて────ゾクリと肌が粟立った。

予想通り、怪盗キッドは地下鉄T駅に程近い高層マンションの屋上に降り立ち、翼を休めていた。この近辺で一番高いビルだ。
オレの位置から対角線上の先に立つキッドの姿は、大通りからは死角のはずだ。警察がこのビルの屋上を確認に来るまで早くても5分や10分はかかるだろう。

その間にキッドは一人悠然と月を見上げ、盗んだジュエルを月明かりに翳す。
そうしてジュエルを覗き込み、必ず何かを確かめる────。

近寄るオレの気配に気付いたキッドがチラリとこちらを振り向いた。

「名探偵……なぜここへ? 関わらないとのお約束をいただいたつもりでしたが」

「関わるつもりはない。だが」

オレは自分でも分かってなかった。どうしてここへ来たのか。ただ近くにキッドがいると知って、その姿を確かめずにはいられなかったのだ。

キッドがオレから視線を外し、上空を見る。オレの背後から爆音が近付いていた。ヘリコプターだ。警察か、報道の…?

「工藤、戻れっ!! はやく・・・」

突然キッドがオレに向かって叫んだ。

「なんだって?!」

急激に迫ってくるヘリの爆音でキッドの声が届かない。
オレは降りてくるヘリを振り向いた。
ヘリの窓が開いている。そこから突き出された物が何であるかに気付き、オレは息を飲んだ。
あれは…銃身だ。標的は────

「キッド!!」

爆音で射撃音は聞こえなかった。
弾かれたように後ろに仰け反る白い姿。
キッドは背中から屋上に倒れ込んだ。


背筋が凍り付く。
ばかな…、そんなばかな!!


あまりの非現実さに脚が竦む。だがワイヤーで吊られた覆面の男がヘリから飛び降りてくるのを見て、オレは叫んでいた。

「やめろっ、キッドに近付くな!!!」

声は虚しく爆音にかき消された。オレはバックルに仕込んだサッカーボールの射出スイッチに指をかけ、キッドのもとに走った。
ヘリが旋回する。
咄嗟に伏せた。二発、銃弾が頭上を掠めていった。

覆面の男は屈み込むとキッドの手からジュエルをもぎ取り、ヘリに合図を送った。すぐさまヘリが上昇を始める。
ヘリの銃口が再び自分に向けられようとしているのを見ながら、オレは立ち上がった。
自分が撃たれようとしていることより、早くキッドの傷を確かめたくて────ヘリから目を離そうとした。その時。

突然、ヘリの下に真っ赤な炎が噴き上がった。
ヘリが急上昇する。
火を噴いているのはキッドだった。一瞬で炎に包まれる。
熱い炎は爆風で大きく揺れ動いた。まるで舞うかのように。

ヘリが加速し、離脱してゆく。

爆音が遠ざかる…。


あっという間の出来事だった。オレは呆然と立ち尽くしていた。

目の前で燃えているのは〝キッド〟ではなかった。黒くなった燃え殻が縮れて砕け、粉々になって風に浚われてゆく。

この炎はキッドのマジックだ。
本物のキッドは生きてる。逃げのびたはずだ。

あのヘリの連中はいったい何者だ。キッドをいとも簡単に狙撃し、キッドの手からジュエルを奪い去った────。



警官たちが屋上に出てくるのを、オレは隠れてやり過ごした。現れた中には佐藤刑事と高木刑事もいた。出くわせば何かしら嘘をつかなければならない。
見つからないように気を付けながら、階段を駆け下りた。気が急いて、心臓が破裂しそうに体を震わせていた。






オブザーバー《3/3》へつづく

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