名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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スペキュレーション《1/2》
カテゴリ★インターセプト(新快)

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陽が暮れる前に黒羽が訪ねてきた。

学校の夏服着て、学校の鞄を肩に引っかけるように持って。
まるで普通の高校生が普通に友達ん家に遊びに来たみたいに。

「よっ、工藤。邪魔していい?」

「いいけど……また突然どうしたんだよ」

「べつに! 用がなけりゃ来ちゃだめなのかよ。ダチだろ、俺たち」

黒羽快斗。〝怪盗キッド〟の素顔。 分かっていても、こうした普段の黒羽からはとてもそうとは想像が付かない。

「工藤だって珍しいじゃん。夕方ちゃんと帰宅してるなんて」

「俺がいなかったらどうするつもりだったんだよ」

どうもしねーよ、と言いながら黒羽が俺を振り向く。フッと笑った眼の不敵さに〝怪盗〟の片鱗を覗かせて。




『ダチだろ』という言葉に引っかかっていたのかもしれない。

普通に流行りの話題で普通の高校生同士みたいな会話して晩飯を一緒に食いながら、俺は黒羽が欲しくて堪らなくなった。

「で?」

俺は黒羽に訊いた。

「今日来た理由をちゃんと言えよ」

「逢いたかったから」

「………………」

「ダメかよ、それじゃ」

「……嬉しいけど」

「けど、なんだよ」


───逢いたい時に逢っておかないと。

そう呟いた時の、黒羽の少し伏せた睫毛を思い出す。


「……なんか危ないことする気じゃねえだろうな」

「なんで?! まぁ、怪盗ですからそこそこ危険は付き物ですけど」

はぐらすように笑う横顔。
ここで互いの立場について議論を始めても埒はあかない。どれだけ惹かれ合っていたとしても、譲れないものはある。

だからこそ手に入れた絆を失うのが怖い。
黒羽を失いたくない。目の前のこの素顔の〝怪盗キッド〟を、この手につなぎ止めておくことができたなら───。



部屋に戻ると、先に出たはずの黒羽が消えていた。
うそ。一緒に風呂まで入ったのに?!
泊まるとは言ってなかったが、完全に〝そのつもり〟になっていた俺は自分でも呆れるくらいにガッカリした。
こんなことなら良い子ぶって手順なんか守らず、シャワー浴びながら抱いてしまえば良かった。マジでそう思った。

自分のベッドにどすんと腰を落として深くため息を付いた。
黒羽のバカヤロウ。俺のやる気をどうしてくれんだよ。声もかけずに行っちまうなんて、そんなのアリかよ。

何でもない貌の奥に、いったい何を隠してたんだよ……。

抱き締めて問い詰めて、出来ることならすべて吐き出させてやろうと思っていたのに。
黒羽。

「黒羽の、バカヤロー!!」

「悪かったなぁ」

「・・・・・・」

「だけど、もうちょい探してくれてもいいんじゃねえ? 名探偵」

「くろば…? どこだ?!」

俺の声は自分でもそうと分かるほど上擦っていた。

ポンと音がして、何もなかったはずの足元からパステルグリーンの煙幕が広がる。

…………柑橘系の香り。


「どう? ライムにしてみました」

煙幕の中から悪戯な眼をしたキッドが…いや、黒羽快斗が現れた。

「ごめん。帰ろうと思ったんだけど…戻って来ちゃった。やっぱ泊めて」

「…このやろう!」

俺は黒羽を抱きしめた。
これでもかというくらいに、きつくきつく、抱きしめた。







スペキュレーション《2/2》へつづく


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※スペキュレーション〝憶測〟という意味合いで使用しています。トランプでスペードのエースを意味するとも…。
※よっぽど日本語で『憶測』にしようかと思ったんですが、このままにしときます(汗)。単にカテゴリ★インターセプトのタイトルがここまでカタカナつづきだったので揃えておきたいだけです…(*_*;

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