名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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タイムアウト《2/2》(新一×快斗)

――――――――――――――――――

黒羽の話は一度もしてないし、〝そんな素振り〟を見せた事だってないはずなのに。

とにかくオレは教室を飛び出し、一目散に黒羽の元へと走った。

「――よっ。クドー!」

「黒羽……どうしたんだよ、急に」

「アハ。近くを通りかかったんで、ついでに名探偵の通う帝丹高校を覗いてみっかと思ってさ」

……なんだか背中に視線を感じて落ち着かない。
イケメンく~ん♪ と校舎から声がする。まったく。黒羽は黒羽でイヒヒと笑って声のした方に手なんか振ってる。

「あれ、S財閥のお嬢だろ。おめーのカノジョも一緒に並んでこっち見てるぜ。シリにひかれてんだろ、相変わらず」

「う、うるせーな」

オレは落ち着かなくて校庭の隅へ歩き出した。黒羽も付いてくる。

「ったく。大胆だな、昼間から……キッド」

「それ言うな。今は正真正銘フツーの高校生だっての」

「よくゆーぜ。おまえだって今まだ授業の時間だろーが」

「まぁな。今日このタイミングでなきゃ手配できない事だったんで、ちょっと抜けてきたんだ」

横顔で笑った黒羽はやはりキッドの不敵さを漂わせ、何かしら〝シゴト〟に絡んでの帰途であることを匂わせた。

「これからガッコに戻るよ。六時限目担任だし、急がねーとウルセーから」

木陰に入ってクラスの窓からは見えにくい位置になった。昼休み終了のチャイムが響く――タイムアウトの。

「ほんじゃあ…。じゃましたな名探偵」

「あっ…」

もう行ってしまうのか。思わず黒羽の腕を掴んでいた。黒羽がちょっと驚いた顔をして振り向く。
うう。できることなら抱き締めたい。

「黒羽……オレんち来いよ、今度。場所は」

「知ってるよ。妙な研究所のトナリの幽霊屋敷だろ。夜な夜な灯りが点いたり消えたり」

オレだよ、それ。

「空手の達人なんだろ、カノジョ。ばれても知んねえぜ? 回し蹴り飛んでくんじゃねーの」

う、と固まったオレから黒羽が離れる。地面を蹴って塀の上に手をかけると、ひらりと身軽に体を翻した。

「またな!」

声だけ残して、黒羽はあっという間に目の前から消え去った。



昼休みが終わり、校庭には体育の授業を受ける生徒たちが集まっていた。
やべ、体育の先生が来る。オレも教室に戻らないと。


何か訊かれるかな……黒羽のこと。訊かれたらなんて答えよう。
迷いながら、それでも心は思わぬ出逢いにときめいていた。

教室帰るまでにフツーの顔にもどんねーと。
微妙な罪悪感とトキメキの挟み撃ちで、オレは心臓がきゅうきゅういうのを感じながら走った。自分のクラスの、自分の席へと。






20120307


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