名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
 

ドリームキャッチャー(新一×快斗)

2012年1月以降up『クロスステップ』『インターセプト』『タイムアウト』と同一設定、続編です。

――――――――――――――――――


なぜだろう。疲れ切っているはずなのに……今夜は眠れない。
 
ロスで暮らす両親と離れ、この家で一人暮らしを始めたのは昨日や今日ではないのに。


一人の夜にはとうに慣れているはずだった。 
それでも、こんな夜もある。わけもなく不安に囚われる夜が。
 
庭の木々を――ざわざわと――まるで蠢く生き物のように見せる、この風のせいだろうか。

眠れない。怖い夢を見そうで。




何度か遭った、ひやりとする瞬間。

薬を飲まされ体中が熱くなり、このまま溶けてしまうのではないかと怖れながら意識を失った時。拳銃で撃たれ、命を絶たれるかもしれないと覚悟した時。
思い出す……。不意に高いところから突き落とされたかのように、体中が竦み上がる。

いやな夢。いやな記憶……。



――うとうとして、目が覚めた。

何時なんだろう。もう一度目を瞑った。
また、すうと墜ちてゆくように夢と現(うつつ)の狭間へ迷い込む…。







黒羽。逢いたい。キッド。

オレはどうしてしまったんだろう。
こんなに――アイツが恋しいなんて。

アイツのことを思い出す。

なぜこんなにもアイツに惹かれてしまうのだろう。
人の心を見透かすようにモノクル越しに微笑むキッド。
こっちまでつられて吹き出してしまいそうになる、屈託なく弾けるような黒羽の笑顔。

だけど…どちらも闇を隠してる。

キッドも。黒羽も。
誰にも知られることなく危険を冒し、そして負った傷のすべてを……ただ独りで覆い隠して生きている。

黒羽。ああ。

逢いたい。

おまえを抱きしめて、眠りたい。
おまえの孤独を抱き締めるから。だから、オレを…オレの心を――。

黒羽。

くろば……。








「どうしたんだよ。うなされてたぜ、工藤」

「……………」

「こんばんは。夜分邪魔してすまねーな。明日休みだからいいかと思って」

「…………く…ろ…ば…」

「オウ。今夜さ、名探偵があんまり必死な顔してたから、なんだか気になってつい様子見に来ちゃったよ」

「なんじ…だ、いま……。おま……どっから…入った……?」

「最初の質問の答えは午前3時。二つ目の質問の答えは怪盗に対して愚問なので省略」

「………………」

どさっとオレのベッドに腰をかけ、黒羽が肩越しにオレを見る。薄明かりに半分を照らされた黒羽の頬が微笑んでいた。

「こないだ誘ってくれたろ? オレんち来ないかって。忘れた?」

「……おぼえてる」

「今夜の追っかけっこ、すっげー楽しかったぜ。風が強くてさぁ……なかなか翼開くチャンスなくて、こりゃヤバいって」


――思い出した。


そうだ!!!!
オレはガバッと体を起こし、黒羽の腕を掴んだ。

「おおっと、なんだよイキナリ。急に目が覚めたみてーだな」

「キッド、てめえっ」

「ちっちっ。今はキッドじゃねーっつの」

「あんなに呼んだのに逃げやがって……なのに、なんで今頃来んだよっ」

「なーに寝呆けたこと言ってんだよ。あ、寝呆けてんのか。寝起きだもんな」

「てめー……ふざけんな」

「怒んなよぅ。たとえ名探偵がどんなに追ってきても、怪盗キッドは捕まるわけにいかねーの。だからいま逢いに来たんじゃねーかよ。黒羽快斗で」

「………………」

オレが掴んだ手に黒羽が自分の手を重ねる。
そして―――そして、キスをしてくれた。



温かくて、柔らかくて。重ねた唇の感触を……目を閉じて感じ取る。




「……へへ。なんか照れるな。ここに来んの、けっこ勇気いったんだぜ」

「勇気?」

「だってさ……惚れちゃったのモロバレじゃん? 」

「え……」

「でもまぁいいかって。逢いたい時に逢っとかないとさ……もし」

「バカやろ」

オレはそのまま黒羽を抱き締めた。
それ以上黒羽が余計なことを話さなくていいように。

黒羽の肩に顔を埋めるようにすると、夜の匂いがした。夜の風の匂いが。


ああ……。やっと、眠れる。
安心して――眠れる。
怖い夢は塞き止められ、いま良い夢だけがオレの元を訪れた。


逢いたかった。逢いたかった。


譫言のようにただそれだけを呟いて……オレは黒羽と抱き合い、ようやく深い眠りの中へと誘(いざな)われていった。








20120412


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