名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

ブログ内検索
カレンダー
07 2017/08 09
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 8 9 10 11 12
13 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カウンター
プロフィール
HN:
ronin
性別:
女性
自己紹介:
2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
 

ブラックシャドウ《2/2》(新一×快斗)
カテゴリ★インターセプト
────────────────────────────────

黒い影がグルグル回って……オレの心の闇に、大きな大きな渦を作る。

目を堅く閉じているのに。

消えない。ぐるぐる。
ぐるぐると─────。


かん高い金属音が耳に突き刺さり、頭が割れそうに痛み出す。



苦しい……!


黒羽…。

黒羽、どこだ……。



そばに、いてくれ。



快斗……………!!











・・・・・・・・・・・・・・・・・・





ガツンと、激しい衝撃に襲われる。

痛みを〝痛み〟と覚える前に、意識が遠のいた。



誰かが、オレの口をこじ開け……得体の知れない薬を飲み込ませようとしている。

忘れることなど出来ない。

体がばらばらになってしまいそうな激痛。肉も骨も溶けるかと恐れた熱さ。


────飲んではいけなかったのに。


なぜ、飲んでしまったんだろう。

本当なら、死んでいた。

オレはあの時……すでに殺されていたのだ────。











・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「工藤、水飲めっか?」

体を丸め、苦しそうに頭を抱えている工藤の背に手を添えた。

うう…と工藤が呻く。

「起きれるか?」

たが工藤は『痛い、痛い』と呟いて両手でこめかみを押さえたまま動かない。
どうしよう。
完全に体調を狂わせたようだ。額に触れたら、熱かった。

「…………」

俺に気付いたのか、工藤が目を開けて俺を見上げた。

「工藤」

「…………」

「水、飲め」

肩を抱いて工藤の上体を持ち上げ、口元にコップを近付けた。

おとなしく飲むかと思った工藤は────唇にコップを付けると、突然体を強ばらせ顔を背けた。

「いや、だ……」

「飲めよ。熱あるみたいだし。一口でもいいから」

もう一度コップを口元に持っていこうとすると、もがくように暴れ出した。

「わっ、おいっ」

あぶねえ。コップが弾かれて、水がこぼれる。

「どうしたんだよ、工藤……」

はあはあと息をつき、朦朧とした様子の工藤をなだめる。

「……かい、と…」

〝快斗〟と呼ばれた。

「なんだよ」


快斗………。


もう一度呟いた工藤は、俺の肩に額を押し付けて動かなくなった。














────黒い影を引き摺りながら、背後に忍び寄る者たち。

オレだけでなく…オレの大切な人たちをも巻き込んで。

怖い。

怖いんだ。
逃げ出したくても、どこへ逃げていいのかも分からない────。


(あ……)

そのとき、頬に何かかが触れた。そっと。

すうっと意識が浮かび上がる。



『俺だよ、工藤』



耳に響く声音は、月を背にオレを惑わせた怪盗キッドの声だった。
だが、それは……オレにとって今は快斗のものだった。

そばにいてくれたんだ。

(快斗……!)

目を閉じたまま、快斗にしがみついた。
もっとそばにいてほしくて。
強く抱き締めてほしくて。
情け無いほど、独りが怖かった。

柔らかいものが唇に触れる。快斗のキス…。夢中で応えた。
あ、と思ったら、喉を水が通っていた。渇ききっていた体がもっと水分を求めて喘いだ。

快斗が口移しで飲ませてくれる水。

飲み込んでは快斗の唇を探し、何度もせがんで水を飲んだ。
優しくて…甘くて……。ひんやりと喉を潤し、ささくれヒビ割れていたオレの心に染み込んでゆく。


「工藤、大丈夫か?」

「………がまん……できね」

「苦しいのかよ。しっかり────わあっ」

オレは快斗を横倒しにして覆い被さった。

「美味すぎる……。快斗が飲ませてくれる水」

「ばっか、無駄に体力使わねえで休めっつーの!」

「無駄じゃねえよ……、あ☆イテッ」

ポカリと頭をグーで叩かれた。

「…ひでえ。アタマ痛えのに」

ふらふらしながら体を起こし、頭を押さえた。

「テ、テ、テ…」

「ちゃんと寝てろ! まったく世話が焼ける探偵だぜ」

「快斗」

「なんだよ」

「……トイレ行く」

だいぶ立ち直りつつあったオレは、冗談半分甘え半分で両手を伸ばして快斗にすがりついた。
快斗はブツブツ言いながらも────今日のはツケだかんな、次の俺の仕事は邪魔すんじゃねえぜ、とかなんとか言いながら、それでもオレに肩を貸してくれた。

〝名探偵がこんなに甘えん坊だとは知らなかったぜ〟という黒羽を、これからは『快斗』と呼ぼうと決めながら、オレは快斗に支えられて立ち上がった。




オレに纏わりつき、膨らんで渦を巻いていた黒い影は、なくなりはしないけれど、それでも我慢できるくらいに薄く小さくなっていった。
小さくなった影は、元通りにオレの胸の中の小さな扉の向こうへと去って行った。

とりあえずは、鍵をかけて閉まっておこう…。

いずれまた、向き合わなければならない時がきっと訪れるだろう。
それまでは─────。









20121020






拍手[13回]