名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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密約《1/2》(バーボン×快斗)
カテゴリ★インターセプト3
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夢を見ていた。

夢だと判っていた。
工藤が、側にいたから。


─────やあ。目が覚めた?


─────気分はどう? ああ、まだ動かない方がいい。薬が効き過ぎたみたいだから。


「…………」

ベッドサイドの灯り。
ぼんやりと膜が張ったような視界。
そんなわけはないのに、工藤の部屋にいるのと錯覚する。

頭に霞がかかったようで現実感が伴わない。だけど、これは夢の続きじゃない。
真横にいて俺を見下ろしているのは……。

バーボン。

頭を起こしかけて、頸の付け根に痛みが走る。歯を食いしばろうとして、そんな力さえ失われていることに気付いた。
ただ呻いて、体を僅かに竦ませる。

「…………」

裸、だ。
ぞくりと肌が粟立つ。

肩に触れているのは…バスローブ姿のバーボンの指先だった。

ぐるぐると視界が回る。じっとしているのに────眩暈がして。


「な、に…を……」

された。

今は、いつだ。
ここはどこだ。
屋上で俺を倒したのは、バーボンだったのか?

起き上がれない。


「君、誰さ」

耳元でバーボンが囁く。

「解ったと思うけど、君はもう怪盗じゃないよ。身元不明の、ただの少年」

「…………」

「物騒な仕掛けが仕込んであるって言うから、君が身に付けていた物は全て外して処分した。ついでに顔色が悪かったし、寒そうに震えてたからバスに入れて温めたよ」

処分……。

モノクルも────?

「おっと」

突き飛ばそうと動かした手は力無く、あっさりバーボンに捕らえられた。

「念のためチップの類が皮膚の下に埋め込まれてないか、一通り調べたよ。頭のてっぺんから、足の先までね」

「…!」

体中を調べられたという事実にかっとなってバーボンを睨み上げた。
半分ライトに照らされたバーボンの表情は、何でもないことのように穏やかだ。だが瞳の奥には暗く煌めく光がある。

バーボンが俺に覆い被さるように体を乗り出す。

「君も覚悟の上で潜入したんだろ。 外部に協力者がいるなら、自分の場所を知らせるために、そのくらいの事してるんじゃないかって思ったんだけど…」

梳くように髪に指を通されたと思ったら、ぎゅっと掴んで頭を引っ張られた。

「あっ」

「知りたいこと有りすぎてさ。ずっと君を眺めていたんだ。今は二人きりだけどね…」

触れるほどバーボンの顔が近づく。目を逸らすと、小さく息を吐く気配がした。

「そう長く雲隠れしてはいられない。君を庇ってるとでも思われたら、さすがにぼくも拙いし。怪盗は消した。せめてそのくらいの言い訳を用意しておかないとね」

「…………」

「なぜ君はぼくに変装したのかな。君の目的は何…? やっぱりパンドラ?」

バーボンの瞳に俺が映っている。情け無い、為すがままにされている自分が。

「はなせ」

くくっ、とバーボンが笑う。

「提案があるんだ。ぼくら組織にも君にも一挙両得の。ただし……」

バーボンの指先が下肢を滑る。無意識に体がびくりと跳ねた。

「君が主従をわきまえるなら、だけど。生き延びて目的を果たしたいなら、君に断る余地はないよね?」

バーボンは微笑んでそう囁いた。




密約《2/2》へつづく

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