名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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Design by:タイムカプセル
 

標的《2/2》
カテゴリ★インターセプト
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〝パンドラ〟が何を示すのかは分からない。だが、怪盗キッドが黒の組織と関わることになった理由が〝パンドラ〟にあると仮定するなら、『パンドラの秘宝』と銘打ったこのジュエルの前で…きっと何かが起きる。



バチッと音をたて、非常灯が瞬く。
青白い閃光の残像を残し、深夜のベルツリータワー高層展望階は闇に包まれた。

俺は暗視ゴーグル越しに階段からそっと這い出た。白馬は逆サイドだ。

数秒が、とてつもなく長い。
吐息の音さえ拾い上げられそうな静寂。はるか下方の街のさざめきが幻聴のようだ。
現れるのは白い怪盗か。怪盗を襲った謎の組織か。それともサイレンサーを携えた黒づくめの奴らなのか。

(来ます、工藤く…──── )

(白馬?)

イヤホン型レシーバーの音声が切れた。肌が粟立つような不穏な気配。何かが動いている。そんな馬鹿な。窓の外を滑るように黒い影が走っていた。こんな高所を、どうやって。

バン!と重い破裂音が響いた。分厚い合わせガラスの窓を、何かが突き抜けたのだ。

狙撃…?

バン!!

もう一発。
こっちが見えてるわけじゃない。二発とも〝パンドラの秘宝〟が飾られたケースの脇に着弾している。

オレは暗視ゴーグルを投げ捨てた。こんなものを付けていては勘が働かない。うっすらと明るく見える窓の外を凝視する。カチリと何かがガラスに当たるような音がした。

(!!)

バーンという大きな衝撃音。

高所の風が一気に吹き込む。腕で顔を覆った。

(あっ!)

顔を上げると、黒い影が割れた窓から舞い込むのが見えた。床を一回転し〝パンドラの秘宝〟の前で立ち上がる。

「待てっ!」

麻酔針の照準を向けようとして走り出たオレは、ハッと立ち竦んだ。



見覚えのあるシルエット。



怪盗ではない…真っ黒な姿。
吹き込む風に髪を揺らし、手にした〝パンドラの秘宝〟を軽く握り直す。

オレを認識しているはずの〝影〟は、しかし全く気配を変えず、窓の方を僅かに振り返るような素振りを見せた。すいと半歩移動し、オレの前を遮る。ヘリの音が急激に近付いていた。




「か────」


呼びかけたオレの声は、ヘリの爆音にかき消された。
地上に待機していた警察のサーチライトが一斉に照射される。
眩い光を集めた中に浮かびあがる真っ黒なヘリ。乱反射する光の中から放たれた一発の銃弾が、オレの耳もとを掠めた。

踵を返した影が窓に向かって走り出す。


待て!!

おまえなんだろ?!

なぜそっちに行く─────!!






『快斗ーーーっ!!!』





叫びは舞い上がるヘリの轟音に紛れ自分の耳にすら届かなかった。
窓の縁を蹴って空を舞った快斗は、ヘリから垂れた梯子に飛びついた。ヘリは快斗をぶら下げたまま幾筋ものサーチライトの中を悠々とベルツリータワーから遠ざかってゆく。


あっという間だった。一分にも満たない。


オレは動けなかった。蓋の開いたショーケースを前に、ただ呆然と立ち尽くした。


────工藤くん、怪我はない? 中森警部がヘリを追って行ったわ。FBIも動いてるはずよ!

────今のは誰だったんですか。彼ではなかったのですか?!

通信機から届く灰原の声にも、肩を揺さぶる白馬の問いに応えることも、出来なかった。





20140524

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※タイトルに添った描写がイマイチ出来ず(汗)…補足は次回~(*_*;

●拍手御礼
「白衣でドッキリ」「標的《1/2》」へ拍手ありがとうございました!

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