名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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奇跡の月と運命の彗星《2》
カテゴリ★インターセプト4
※冒頭ジンとウォッカ、その後は快斗くん視点
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ステージによじ登った髭面の男が、振り向きざま会場に手榴弾を投げつける。

間もなく三度目の爆発が起きた。



───怪盗キッド、はやく出てこねえか!!

髭面の男の狙いは〝怪盗〟だけのようだ。キッドの名を叫び続けている。

「ククッ。目の前のどんなお宝より〝怪盗〟が欲しいらしい」

「拙いですぜ、兄貴。早いとこヘリで脱出しやしょう」

「キャンティたちは」

ウォッカが首を振る。

「呼んでんですが、雑音しか聞こえねえ。もしかしたら」

すでに移動したか。あるいは移動しようとして、爆発に巻き込まれたか。

「あの男、殺っちまいますか」

「放っとけ。この騒ぎの〝主犯〟だ。せいぜい攪乱してもらおう」







・・ー・・・・・ー・・・・・ー・・

   



会場扉付近の天井が崩落する。砕け落ちる寸前に駆け抜けた。

粉塵が舞う。
発砲音も聞こえる。
我先に脱出しようとする客同士の間で小競り合いが起きてるのだ。

パニック状態のエレベーターホールや非常階段を避け、ベルモットが使っていた搬入用フロアへ向かう。
オークションは壊滅だ。
派手な爆発のおかげで、じき警察が駆けつけるに違いない。ジンたち組織の連中も見切りを付けて脱出するだろう。

屋上へ。

パンドラのスーツケースを抱えたオークショニアが向かったのは、おそらくヘリポートだ。客に紛れて地上から脱出する可能性もゼロじゃないが…。

───いや、やはりそれはない。

月がきっとパンドラを引き寄せる。〝そばへ来い〟〝もっと私に近付け〟と。

駆けながら変装マスクを剥ぎ、バーボンに着けられた革のネックバンドも外して投げ捨てた。ベルモットに楔を撃たれた首筋がチクリと痛む。
怪盗には戻れない。それでも。

「!」

薄暗いバックヤード通路の先、搬入用エレベーターの前に誰かいた。

シュッ───

咄嗟に倒れ込んだ。空を裂く音。
撃たれた。サイレンサーだ。身を隠す場所はない。
跳ね起き、一か八か突っ込む。

眼鏡の男。コルンだった。

長尺のライフルを脇に構えて俺を狙っている。近距離で動く的を倒す武器じゃない。だが、食らえば終わりだ。

コルンの顔が見えた。無表情。

感情を消した暗殺者の貌────。









「ハアッ、ハアッ」


膝を着いて立ち上がった。

コルンの呼吸を読んで体を返し、二発目を間一髪避けた。そして三発目を撃たれる前に一気に間を積め、銃身を薙払いざまコルンに肩から体当たりした。

コルンの外れた眼鏡とライフルがそれぞれ通路の両端に転がっている。
床に強く頭を打ち付けたせいで昏倒したのか、コルンは倒れたままだ。

急がなければ。
エレベーターは止まっているかもしれない。非常階段の扉に駆け寄って取っ手を引っ張ると、隙間から冷たい風が流れ込んできた。

重い扉を引き開けて階段へ出ようとした時、背後で拳銃音が鳴り響いた。


撃たれた───と思った。


だが、なんともない。

振り向くと、転がったままのコルンが手首を押さえて拳銃を取り落とすところだった。
コルンの袖に突き刺さっているトランプを見て目を見張る。思わず叫んでいた。

「誰だっ!!」

駆け寄ってきた何者かがコルンが落とした拳銃を蹴り飛ばし、俺の方へ顔を向ける。
オークション会場最後列にいた頭巾姿の老人に付き従っていた──あの仮面の従者。

フッと笑った何者かは、手にしたトランプ銃を逆さに持ち替え、俺に差し出した。

「ここで止めても無駄でしょうね」

え…?

「急ぎなさい、快斗。寺井が上で待ってるわ」






20151211
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※つづきます…。upとろくてスミマセン~(*_*;


●拍手御礼
「視線」「ストレンジャー イン ホラー」「海色の瞳」「燠火」「ぶるーぱろっと」「成功報酬」「シルエットロマンス」「身代わり」「偽り」「どこまでも高い空」「眠り言」「秋憂」ほか、白快カテゴリ、さらに★インターセプト各話へも 拍手ありがとうございました(^^)//


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