名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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奇跡の月と運命の彗星《7》
カテゴリ★インターセプト4
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おれは墜落するヘリから投げ出された。

頭から落下しながら、海面に激突して火を噴くヘリを見た。
波打つ黒い海面が紅い炎に照らされていたのを憶えている。



死んでたまるかと思った。
黒の組織がなんだ。このスネーク様を散々コケにしやがって。怪盗キッドが、そう簡単にてめえらなんぞにやられるわけがねえっ。




目が覚めたのは、港町の小さな病院のベッドだった。
おれは運良く沿岸のブイまで流され、そこに掴まって朦朧としているところを帰港途中の船に発見されたらしい。低体温で死にかけてたそうだ。
着ていたコートも上着も波にさらわれて身元不明人扱いになっていたから、おれは記憶を失くしたふりをして過ごし、体力が戻ると病院を抜け出した。
墜落して目が覚めるまで一週間、それからさらに一週間が過ぎていた。

密かに部下を呼び出すと、半信半疑で現れた部下はおれが生きてることに驚いていた。
部下に必要なモノを揃えさせ、おれのことは忘れろと言い含めた。そしておれは単独で行動を開始した。


おれなりのルートで探ると、おれがいた組織と黒の組織は、あらたに手を組んだというより元々一つの組織だったのではないかと思えてきた。
中にいて解らなかったことが、見えた気がした。〝あの方〟の正体も想像でしかないが、ひょっとして…。

しかし、そんなことは今のおれにはどうでもよかった。おれが本当に確かめたい事はただひとつ。

怪盗キッドは死んでなどいない。

それだけは間違いない。
おれがキッドを誘い出して、証明してやる。

絶対の機密だった〝パンドラ〟の伝説は、すでにインターネットの複数の匿名サイトに投稿してある。
あれがどんな形で拡散するか分からなかったが、ボレー彗星が接近している現在、必ずどこかしら引っかかり、引用されるに違いない。

怪盗キッドは〝パンドラ〟を奪いに必ず現れる。

そして〝あの女〟に連絡した。
おれは名乗らなかったが、〝あの女〟にはおれが誰だかすぐに判ったようだ。

〝あら、生きていたのね〟と、女は電話の向こうで哄った。

あの女。ベルモット。

おれを操ってるつもりでいればいい。
ぶっ飛ばしてやる。すべて。

怪盗キッドを殺すのはおれだ。

怪盗は渡さねえ。

誰にも。絶対に。









・・ー・・・・・ー・・・・・ー・・

   





おれは最後の数段を乗り越え、ようやく屋上に這い出した。

吹き付ける風が、濃い霧を見る見るうちに散らせてゆく。目の前に現れたのは、天高く輝く月と真っ直ぐに伸びる彗星の尾。

そして。


月を背にした、見覚えのあるシルエット。


おれは息を呑んだ。
鼓動がさらに激しくなり、息苦しさに目が霞む。撃ち抜かれた腿から血がドクドク流れ出るのが分かったが、全く痛みは感じなかった。


間違いねえ…!


大きく広がり靡びく白いマント。

持ち上げた手が持っているのは…。

あれは、モノクルだ。

すっと姿勢を正した怪盗の右目には、いつもの気障なモノクルが嵌められていた。




まるで永遠のように感じた。


無意識に、名が口を衝く。


「か…、か…」


怪盗キッド!!!




幻ではない。

キッドはおれを見て、おれの元に舞い降りたのだ。

ざまあみろ!!  

やっぱり怪盗は生きていたじゃねえか…!!

おれは懐から拳銃を取り出した。



「怪盗…キッド、おまえを殺すのは──」



このおれだ。

スネーク様だ。

がしゃりと音がした。
拳銃を握った指に力が入らず、拳銃を落としてしまったのだ。

おれは懸命に手を伸ばし、もう一度拳銃を握ろうとした。


「……?」


そのおれの手に、白い手袋の指先が触れる。

痺れるような感覚が全身に走った。


夢なのか…? これは。


怪盗が…おれに。


おれに、触れている……。



思考が働かなくなり、視界がさらに暗くなった。

何も見えなくなるまで、怪盗はおれのそばにいた。

キッドは…おれを…見ていた…。



キッド……。








20160222

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※スネーク退場です…合掌。


●拍手御礼
「カルマ」「月光という名の真実」「遠距離恋愛」カテゴリ★交錯、★インターセプトの各話 へ 拍手ありがとうございました。

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