名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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拷問 《5 エピローグ》
(新快前提)XX→快斗
――――――――――――


工藤とは、その後会っていない。

会えるわけがなかった。

もし、あのビルの火災報知器が作動しなかったら――。
わざと火を起こして装置を作動させた工藤もそれについては運があったと言っていた。もっとも電気が通っていたのだから廃ビルといっても最近まで使われていたのだろう。あるいは…あの男達の組織がこうした用途に使うために用意していた場所だったのかもしれない。

廃ビルに連れ込まれていた俺の居所を、工藤は俺が落としたキャップの位置から推理したらしい。
工藤だけはあの夜の男達の陽動に惑わされず、俺の危険を察知して動いてくれていたのだ。高校生探偵としての知名度をフルに活用し、近隣店舗の監視カメラの映像を見せてもらうなどして、追跡し、探し回った。

工藤は俺を探すのに散々逡巡したらしい。誰かに協力を求めるべきではないかと。一人で焦るばかりで時間がかかりすぎたと――そう言って工藤は自分を責め、俺に謝った。

「たとえ快斗に恨まれても、警察に通報していたらここまで深い傷を負わせずにすんだ」
そう言った。

思いあがんなよ、と俺は言い返した。

「助けてもらったのは礼を言うが、俺は俺の意志で動いてきたんだ。
たとえ殺されて死体を晒されたって人のせいになんかしねえ」

もちろん、俺を見つけ出し助けてくれた工藤に感謝はしていた。

あの時、俺はもう落ちる寸前だった。だが、それでもあんな姿を…拷問されてぼろぼろになったところなんか、決して見せたくなかった。見られたくなかった……工藤には。

だから――胸の奥で工藤に救いを求めた事は、絶対に話さない。話したら自分が崩れ落ちてしまうと分かっているから。


とにかく、互いに複雑な思いを抱え込み、さらに負い目まで覚えているようでは一緒にいてもつらいだけだ。

俺は二日ほどは工藤のもとで世話になったが、動けるようになるとさっさと工藤邸を後にし、あの夜隠したキッドの衣装を回収しに行った(盗んだジュエルは目的の物ではなかったので、犯行時すでに美術館に戻してあった)。



それでおわりだ。



探偵と怪盗が一緒にいること自体が無理なのだ。

切ない苦しい想いに囚われる瞬間もあるが、しばらく独りでいれば慣れる。もともと独りだったのだ。


あばよ、工藤。

小さくつぶやいて、俺は歩き出した。





20110928

―――――――


あとがき

4回で終わらせるつもりが5回になった上 (最後はほぼ状況説明ですが…)、まさかの別れです。
ガーン。こんなはずでは…(@@);
二人が別れちゃうなんてイヤです~(泣)

というわけで、後日 別タイトルで続きを考えたいです……。何が何でも二人をくっつけなおしたいです!
ううう(涙 ; ;)

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