名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

ブログ内検索
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 13
15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
カウンター
プロフィール
HN:
ronin
性別:
女性
自己紹介:
2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
 

街角の錯覚《2/3》(新一×快斗)

※一人称「オレ」は新一です。描写省略ですみません。

――――――――――――――――――

気が付いたら冷たいフロアに頬を押し付けて倒れ込んでいた。

自分が異常事態に陥っていることは朦朧とする意識の中でも理解できた。

そっと目を巡らせる。二人の男が同じ室内にいるのがわかった。スーツ姿の足元。低い声で何事か話している。


――オレは……どうしたんだろう。

なぜ倒れているのか。どうしてここにいるのか。

男たちが振り向く気配。目を閉じた。

男たちが――オレに近寄ってくる。


『あの薬は速効性だが、切れるのも早い』

『本当にこのガキが〝工藤新一〟なのか?』

『キッドの変装じゃないだろうな』

『まさか』


――キッド……だって?


フロアに膝を着いた男が俺の上着の胸元に手を差し入れる。手帳は持ち歩き用でたいしたことは書き込んでない。財布も開けられているようだ。

『これを見る限り、工藤新一本人だな』

『VISAカードだぜ。ガキのくせに』

……悪かったな。

『携帯電話は?』


……携帯。


発信歴は快斗宛が最後になってる。


いきなり激しい警鐘が頭の中で鳴り響いた。


――快斗が消えた理由(わけ)が……もし、この男たちだとしたら。

こいつらが怪盗キッドを敵対視している相手だとしたら。

もし……こいつらが……以前快斗を襲った相手だとしたら――――。


オレは跳ね起きた。


「こいつ、気が付いてたのか!」

「大人しくしなよ、探偵さん。なんで首突っ込んできたのか話してもらおうか」

やや血の気の多そうな20代後半と思しき男と、30代半ばほどで背が高いもう一人の男。フロアはがらんとして広かった。隅に長いテーブルとイスが無造作に積まれている。貸しフロアのようだ。

「余裕だな、探偵さん。聞こえたのか」

聞こえてる。
オレは目だけを背の高い男に向けた。

――首を突っ込もうと思って近付いたわけじゃない。

オレは快斗の姿が見えたと錯覚してあの暗い路地に迷い込み、そのオレを今ここにいない別の男が見つけ、自分たちが探られていると錯覚してオレを捕獲した。

互いに何も解ってないのだ。

「ダンマリか。だがここは警察じゃない。黙秘権なんてものはないんだぜ」

若い方の男が取り出したのはグロックに似た改造拳銃だった。短絡的な目の前の男に呆れ半分、実際に発砲されるかもしれないという恐怖半分。なおも黙ったままのオレに、男が腕を振り上げた。

「!!」

銃床部分で横っ面を殴られた。フロアにひっくり返る。咥内が切れて血の味が広がった。

「もしかして携帯見られたくないのか」

「寄越しな、携帯。持ってんだろ」

転がったままでいたら腹に蹴りが入った。ぐう、と声が漏れる。

うずくまるオレの頭に銃口が押し付けられる。

オレはズボンのポケットから携帯を取り出した。手を伸ばす男を避け、携帯を開いて床に叩きつける。二つに折ってぶっ壊した。

「あっ!」

「カードが入ってる。拾え」

拳銃を構えた男が、トリガーを絞ってオレに向けながら壊れた携帯を拾おうとした。
その時、バチッと小さな音がして電気が落ちた。闇。



闇に包まれた。



男たちの動揺が伝わってくる。なんだ、どうしたっ、と男たちの声が頭の上を飛び交う。

室内に響く発砲音。

危ない、よせっ、と叫ぶ声。

そして発砲の火花によってほんの一瞬……翻える〝何か〟が見えた。

闇に浮かび上がる気配に、俺も含めたそれぞれが同じ名を口走った。


キッド!!






つづく


――――――――――――――――――


ひ~ 終わりません。あと一回……。(@_@)


拍手[8回]