名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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※先日区切りをつけたカテゴリですが、前半場面を少々追加しようかと(汗)。今回挟むのは2012.2.4にupした『闇に棲む蜘蛛』よりも時間的に少し前。怪盗キッドに狙いを定めた〝スパイダー〟の独白・短編です。
※テレビアニメ版〝スパイダー〟とは設定が異なります。ご注意ください。

喰夢(××→キッド)
カテゴリ★闇に棲む蜘蛛
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月夜を舞う美しく白い蝶。

一目見て、私は〝了解〟した。

つまらぬ獲物なら味見の要もなくその場で屠り棄てていただろう。だが。

その〝蝶〟は、冷え切ったこの胸腔を欲望で膨らませるには十分すぎる程に〝魅力的な獲物〟だった。

私は歓んだ。

まだ成熟しきっていない若く滑らかな肢体を夢想し、かつてないほどの高ぶりを覚えていた。

こんな〝獲物〟が手に入るとは。

いや…まだだった。
自らの先走った想像に口だけを歪ませて哄らう。

〝これから手に入れることが出来るとは────〟

ああ。
あまりに愉しみで……どんな罠に堕とそうか、どんなふうに羽根をもぎ取ろうかと考えるだけで、震えが走るようだ。

私としたことが。
気が付けば、独り闇の中で声を上げ哄っていた。

初めは微かに、低く。

だが、やがて哄い声は自分でもそうと判るほど大きくなっていった。


〝ク、ク、ク。……クックック…… 〟


天空に輝く満月が、徐々に黒い雲に侵蝕され、覆い隠されようとしていた。

少しずつ。

脚を喰(は)み。腕を喰み。

やがてその身の芯までも……。


ほう…と一つため息をついて、私は目を閉じた。

────さて、今宵はそろそろ眠るとしよう。

あの美しい獲物の夢を見て。底知れぬこの深い闇の中へ、優しく引き摺り込む夢を。

この絲で捕らえ。
この針で刺し貫き。
柔らかな唇から漏れ出るだろう儚い叫びを思い浮かべて。

零れる笑みを抑えることができないまま眠りに就く。
暗い暗い、巣の奥に潜みながら……。








20121025

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