名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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工藤邸襲撃事件《2》
カテゴリ★17歳
※白馬くん視点から。
────────────────


工藤も服部も重傷を負うような事態は免れた。かろうじて。

それは何らかの異変を嗅ぎ取った黒羽の勘と、間髪入れず呼応した服部の瞬発力のおかげに他ならなった。



襲撃されたのだ。

ターゲットは工藤か、あるいは──もしかしたら僕ら “探偵事務所” を狙ったものなのか。

いったい何者が、何のために。



「やはり警察に通報すべきです。自分たちで解決すると言ったって、所詮僕らは未成年、民間人です。探偵を名乗っていたところで捜査権があるわけではない」

「まあ、白馬の言うとおりやねんけどな」

爆発からすでに数時間が経っていた。僕は服部を伴い、工藤邸を離れ迎えの車で自宅へ戻りつつあった。

───お互いの無事を確認したあとは(工藤は頬に軽い擦過傷、服部は飛び込んだ勢いで肩を打撲していたが)僕らは黙々と現場検証を行った。

さらに黒羽と僕は近隣を廻って宅配を装った犯人の痕跡を探し、工藤と服部は異変に気付いて訪れた阿笠博士と宮野さんと共に爆発物の破片の写真を撮り、僅かな証拠品から得られる情報を拾い集めた。

そうした一連の作業の目処が付き、手掛かりになるかどうかわからない録音してきた周辺の目撃情報等を保存し───さてこの後はどうするか。となったところで服部が手を叩いたのだ。

『いったんお開きや。まだなんもわかっとらん。ターゲットが工藤だったのかも確定しとらん。各自心当たりがないか、思い当たる件がないか、ひとまず頭冷やしてじっくり考えてみようや』




運転しているばあやとバックミラー越しにチラと目が合う。僕は頷いた。

「不本意でしょうが、今夜は僕の家に泊まってください。大したおもてなしはできませんが」

「不本意なもんかい。ええんか、助かるで。いつも通り工藤んトコ泊まるつもりやったが、あれじゃあのう」

「………」

『頭を冷やそう』と服部が言ったのは何より工藤に対してだ。一見冷静な様子に見えてはいたが。

「工藤くん、抑えてはいましたが、内心は激昂していたでしょうからね」

「せやな。火薬量が少なかったから良かったが、あれがマジの爆発やったら全員無事ではおれんかった」

犯人の意図は警告なのか。脅しか。

「…それでも君のファインプレーがなければ工藤くんは重傷を負っていた可能性もある。手に持っていたんですから」

「ああ…、アレはおれやない」

「え?」

「黒羽や。アイツ、窓から外を覗いてたやろ。そんで工藤が戻ってくる前に振り向いておれに目配せしよった」

「目配せ?」

「まさかと思うたけどな。一応手近なクッション掴んで身構えとったんや」

「そうだったんですか…」

あの時、黒羽は『待て』と叫んで工藤に走り寄ろうとしたのだ。無我夢中の様子で。僕が横から飛びついていなければ…服部のダッシュがもう少し遅れていたら、黒羽だって無傷では済まなかったかもしれない。

それにしても何故黒羽は気付いたのか。

『業者(を装った者)の帰り際の様子が不審だったから』と言っていたが…。

「他にも話し合いたい議題があったんですが、当面はこの襲撃への対処に集中せざるを得ませんね」

「黒羽のヤツ、おとなしゅう帰ったかのう」

「…それはどういう意味ですか」

「まあ…怒り狂っとんのは黒羽も変わらんやろしな」

僕はチクリと胸の奥が痛むのを覚えて黙り込んだ。

服部も僕の想いを察しているのだろう。それ以上は何も言わず、黙っていてくれた。









・ ・ ・ ・



『ホントにわかってるの、工藤くん。あんな事の後なのよ。意地張らないで今夜くらいこっちに泊まればいいじゃない。カレーライスくらい出すわよ』

宮野は心底呆れたように電話の向こうで言った。

「ああ、わかった。後でカレーだけ食べに行く」

『まったく…また襲われても知らないわよ。食べに来るなら電話してから来てね。カレー温めるから』

ありがとう、わかった。と応えて電話を切った。


「………」

一人になると、しんと静まり返った室内に壁掛け時計の音がやけに響いて聞こえる。

見上げると、黒ずんで焦げた天井が目に入った。

迂闊だった───のだろうか。

探偵事務所を立ち上げてから順調すぎて油断があったのか。

黒羽が呼び出しに応じて現れたことに安堵して、舞い上がっていたのか。

黒羽が気付いて、服部が荷物を弾き飛ばしてくれていなければ、最悪は指が何本かやられていたかもしれない…。

ぎゅっと手を握りしめる。

チクショウ。

『頭を冷やせ』。わかってる。

だけど考える程に頭にくる。

よくも────


「?!」


背後に気配を感じ、オレは振り向いた。

真っ先に帰ったはずの黒羽が、部屋の中に立っていた。






つづく
────────────────




●拍手御礼
「囚人」「ヒーリング」「満月―怪盗キッド―」「工藤邸襲撃事件《1》」

※正月明け、もう半月経ってしまいました。暮れの続きを書こうか単発で別の小話を書こうか迷ったんですが、こうなりました(^_^;)。


拍手コメント御礼
名無し様★いつもご声援いただきありがとうございます! 遅ればせながら、今年も宜しくお願いいたします!




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