名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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点滅のトリガー
カテゴリ☆呪縛
※白馬くん視点です。
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先日の王家の首飾り事件から二週間近くが経とうとしていた。

相変わらず、黒羽は僕を遠ざけている。

あの時スパイダーに嵌められた僕自身が、いまだに悪夢から完全に脱却できずにいた。

心を蝕むスパイダーの術の恐ろしさを身をもって感じているからこそ、注意深く見守らなければならないと思っていたのだ。
彼─────スパイダーの殺しのターゲットである〝怪盗キッド〟イコール、クラスメートの黒羽快斗を。


教室での黒羽は一見何事もなく過ごしているように見える。しかし時折り目を押さえたり、瞼をこするような仕草をするのが気になっていた。

だが、それについて黒羽に直接問うチャンスはなかった。
少しでも僕が近寄ろうものなら、彼はこちらを見もせずさっと踵を返して遠ざかってしまうのだ。

全く以て僕は手を拱(こまね)いていた。




「中森さん、手伝いますよ」

「あ、白馬くん」

教材を両手に抱えて運んでいる黒羽の幼なじみを廊下で見かけ、僕は声をかけた。

「ありがとう! 係りの子が風邪で休んでるから代わりに頼まれたんだけど、本重くって」

「何か困った事があったら、いつでも声をかけて下さい」

「ほんと白馬くん優しいね! 快斗とは大違い」

黒羽の名が出たことに、僕は咄嗟に縋りついた。

「黒羽くん、このところ大人しいようですが」

「ああ…ごめんね、快斗なんだか白馬くんに意地張ってるみたいで」

「気にしていませんよ。彼に避けられているとしたら、僕の方に原因があるのでしょう」

「そんなことないよ。快斗ったら白馬くんが何でも出来てモテるから面白くないのよ。ガキんちょなんだから」

僕は微笑んだ。天下の大怪盗も、この幼なじみの少女にかかれば形無しだ。

「でもねぇ…」

彼女は歩きながら小さく首を傾げた。

「このところ快斗少し変なの。昨日は帰り道に急に走っていなくなっちゃったし」

「えっ」

僕は思わず立ち止まって訊き返した。

「それはどこで…どんな時ですか?」

「休んでる子にプリント届けた帰りに途中の踏切で。警報機が鳴り出して踏切が閉まって立ち止まったと思ったら、急に走ってどっか行っちゃったの」

「警報機が…」

「今朝快斗に訊いたら学校に忘れ物したからなんて言ってたけど、絶対ウソ」

「……………」

「うまく言えないけど、それだけじゃないの。先週からなんだかピリピリしてて…眠れないみたいだし」

「彼がそう言ったんですか?」

「ううん。見ればわかるもん。快斗、なんだか疲れてる」

教室に着いた。
黒羽の幼なじみとの会話はそこで終わってしまったが、僕には思い当たる節がいくつもあり、胸がざわつくのを覚えていた。


やはり黒羽は……怪盗キッドは、すでにスパイダーの罠に堕ちているのではないだろうか。スパイダーの赤く蠢く光が、あの時キッドの瞳を射抜いていたのではないだろうか。

踏切の信号機。点滅する警報が彼を苛む罠の引き金になったとしたら。
彼は気付かぬうちに追い詰められ、自分の脚で断崖の突端まで歩かされようとしているのではないだろうか────。

もしそうなら、タイムリミットは近い。
スパイダーの日本公演はこの週末で終わる。キッドがヤツの見えない蜘蛛の絲に既に絡め捕られているのなら。
猶予はない。

僕は決意した。
黒羽を捕まえなければ。今すぐ。




20130610

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※時間の流れが分かりにくくなってしまいスミマセン(+_+)。快斗くんが踏切の警報で走り去ったという青子ちゃんの証言ですが、今回のお話の時点では快斗くんはまだ普通に登校しています。本日アップ「点滅のトリガー」より、昨日アップ「嘲弄」の方が時間的には後になります…(*_*;


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