名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
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生け贄《3/4》(XX→白馬×キッド)
※テレビアニメ版スパイダーを絡めたパラレルです。
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闇の中に、白い姿の幻がいた。

その手に握られた銀の銃が、僕を射抜こうと狙いを定めている。

僕は声も出なかった。
白い幻……〝怪盗キッド〟は、醒めた目をして僕を見下ろしていた。


浮かび上がったキッドの姿に、僕は恐怖を忘れた。

─────何をしているんだ、僕は。

キッドに愚かな姿は見せられない。
見られたくない…!

シュッと、風を切る音がした。
僕の右腕を掴んでいた亡者が呻き声を上げ、ゆらりと傾いで視界から消える。

悪夢は覚めていない。
だが、僕は自分を取り戻した。
闇の中に浮かんだ幻のキッドは、試すように僕をじっと見つめている。

そうか…。
僕の弱さが、この悪夢に映されるのだ。
心が弱ければ付け込まれる。いったん恐怖を覚えてしまえば、そこをさらに深く突かれてしまう。

負けるものか。
キッドの前でスパイダーに赦しを乞うことなど、出来よう筈がない…!

ぐいと左腕を動かすと、亡者達の手は脆い木屑のように簡単に離れた。さっきまで雁字搦めに絡み付いていたのに。

立ち上がった。
亡者は次々と力無く地に倒れてゆく。
シャツも胸もなんともない。僕は生きている。

「スパイダー!!」

叫ぶと、周囲の闇が変化した。

非常灯だけの薄暗い展示室に僕は立っていた。警官達は折り重なるようにして倒れ込んでいる。

「フ…、よく戻ってこられたな、白馬探。完全に私の手に落ちていたのに」

目の前に立つスパイダーの赤い三つの光がぐるりと蠢いた。
しかし、何も起こらない。

「いったん覚めてしまえば、あなたのイリュージョンも通じないようですね。スパイダー」

「…キッド!」

張り出した窓を背に、淡い月明かりを纏った仄白い〝彼〟の姿が浮かび上がる。

「怪盗キッドか。邪魔な探偵を先に片付けてしまおうと思ったが、まあよい。本来のターゲットはおまえだ」

「予告通り来てみれば警察も警備システムもすでに片付いているなんて、ありがたい限りですよ」

くすりと小さく笑ったキッドの言葉に展示ケースを振り向いた。
王家の首飾りが無くなっている。キッドが盗んだのか。

「来い、キッド。おまえには別のステージを用意してある」

スパイダーが飛び上がる。その姿が展示室上方の闇に消えた。

「罠だ、キッド。行くな!」

「白馬探偵…」

シルクハットのつばを押さえた怪盗が、微かに口元を綻ばせて僕に言う。

「ありがとう。次は私の番です」

ポンと音が弾け、キッドの周囲が煙幕に包まれる。

「キッド─────!!」

煙幕とともにキッドも消えた。
〝私の番〟…?
スパイダーと対決するつもりなのか。

スパイダーが僕を襲ったのはヤツの気紛れに過ぎない。だがキッドはヤツにとって仕留めなければならない本当の〝標的〟だ。

僕は近くの警官を揺り起こし、応援と救急車を頼むように言って駆け出した。
だが見回しても、最初に襲われ倒れていたはずの中森警部の姿は見えなかった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




きらりと光る針の矢が、立て続けに襲ってくる。
飛び退きながら避けきれない針をトランプ銃で叩き落とした。

白馬には悪かったが、お陰でスパイダーの仕掛けを先に見付けることが出来た。屋上にヤツの作る幻覚を助ける機材はもうない。

発射したワイヤーがスパイダーの右手に巻き付いた。
ぴんと張って数メートルの距離をおき、スパイダーと対峙する。

「スパイダー、私の始末を依頼したのは誰です?」

「甘く見るな…怪盗キッドよ」

「!!」

突然ビリビリと空気を震わせる衝撃音が響き、トランプ銃を取り落とした。
腕を押さえた瞬間、スパイダーが一気に間を詰めてくる。

〝死ね〟。

スパイダーの唇がそう動いた。

喉元を掠めるスパイダーの針先。
体が痺れて動けない。後ろに倒れ込むのがやっとだった。
スパイダーが体を翻して仰向けになった俺に覆い被さってくる。喉を鷲掴みにされ、抑え込まれた。
スパイダーが体重を掛けてくる。

(く…っ)

「抗ったところで結果は同じだ。苦しみたくなければ動くな」

愉しげに哄う口元。
スパイダーの持つ長い針が、モノクルに覆われていない俺の左目を狙っていた。




生け贄《4/4》へつづく

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☆拍手御礼
あふる様、拍手コメありがとうございました。

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