名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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螫光(白馬×快斗)  
カテゴリ☆呪縛
※前回「生贄」の後日談&次回予定の前章的ショートです。
快斗くん視点、途中少し白馬くん視点を挟みます。
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咄嗟に目を閉じたが、僅かに遅かった。
赤く瞬く光が網膜に焼き付く────。

目を開けた。
自分の部屋の、自分のベッド。
蠢く赤い光の残像が今も目の奥にチラついているようだ。

─────なんだか、熟睡できていない。

学校で眠いのは年中だが、ここ数日は気を抜くと眩暈がしてフラつく事がある。

しっかりしろ…、単なる寝不足だ。
スパイダーの赤い光の残像に、少しばかり不安を煽られているだけ。時間が経てば落ち着く。

窓を開けると明るい空が広がっていた。夜虫に刺されたような不快な気分を振り払い、俺は慌ただしく着替え始めた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



〝たとえ相手が暗殺者でも〟

〝人を死なせるような責をあなたが負うべきではない〟

怪盗キッドは僕にそう言った。

しかし、僕は今も自問自答している。

もしも。
もしもこの先、キッドがスパイダーの手に落ちるような事があれば…。
あの時引き金を引いていればと、僕は永遠に後悔することになるだろう。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



近付いてきた誰かが俺の頭に手を乗せた。
鈍い痛みを覚えて、俺は飛び退きざま誰かの手を叩き払った。

びっくりした顔の白馬が、俺に叩かれた手を持ち上げたまま立っていた。

「…黒羽くん」

「なんでえ、白馬か」

「どうかしたんですか?」

「べつに」

廊下を歩き出すと、白馬も付いて来る。

「んだよ、付いて来んな」

「どうやら君も少々落ち着きを失っているようですね。今のは明らかに過剰反応でしょう。頭に怪我でもしてるんですか?」

「うっせーな」

わざとらしい。
たいしたことはないが、中森警部に変装していた時、スパイダーに操られた警官に警棒で頭を殴られタンコブが出来ていた。白馬も分かって言っている。

「かくいう僕も…先日ひどい悪夢を見ましてね。あれからというもの、深夜うなされて目覚めることもしばしばです」

「………」

「こんなふうに亡者が絡みついてきて」

「!」

背後から胴と喉元に白馬が腕を巻き付けてくる。体の自由がきかない……嫌な感覚。

「外そうとしても身動きがとれなくて、亡者の手が僕の心臓に」

「はなせ、馬鹿!」

廊下ですれ違う女子たちが俺と白馬が〝じゃれ合ってる〟のを見て笑ってゆく。

「─────よくも僕を盾にしてくれましたね」

「し…知らねっつーの!」

肘鉄を喰らわすと、白馬はやっと腕を放した。
脇腹を押さえながらまだ何か言おうとしている白馬をシカトして、俺はダッシュした。

正確にはダッシュして逃げ出した。
もやもやと膨らむ漠然とした不安が、白馬の言葉で現実になるのを恐れたんだ。


……俺は、スパイダーの暗示に掛けられてしまっているんだろうか?

もしかしたらスパイダーの呪縛の網に、俺はすでに囚われているのだろうかと。





20130504

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※タイトル造語です。シャッコウと読んで下さい。〝赤い光に刺された〟的なイメージです(+_+)。

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