名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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仰げば愛し(新一×快斗)
※映画「絶海の探偵」パロっぽくなってます(汗)。軽甘ショート。
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朝からまったりした休日。

先日読み終わったミステリーを珈琲の香りとともに考察しながら再読する…オレにとっては贅沢な時間だ。


初見のドキドキ感もたまらないが、結末を知った上で絡み合う伏線に登場人物達が零す小さな台詞や仕草のヒントを改めて拾ってゆくのがまた楽しい。

…楽しいんだが。

「何やってんだ、快斗」

「んんー? こうしねーと工藤の顔が見えねえから。本ばっか読んでてさ」

「気が散るからよせ」

快斗のやつ、俺が座るチェアーの脇で床に寝ころんで、さっきからオレを見上げて、時たまフッと笑ったりする。不気味だ。

「あっち行ってろ」

「いいだろ、寝ころんでるくらい。どぉせかまってくんねえし」

「……仕方ねえなぁ」

本に目を戻して集中し直そうとするが、視界の端にどうしても快斗の顔が入ってきて…一度気にするともうだめだ。
大きな目で俺を見ている、その様子が気になって。

「あのな、快斗」

「この前さぁ…俺、海に堕ちたじゃん」

「あ? ああ」

埠頭で狙撃された時のことか。

「なんだよ、その生返事。冷てーの」

「それがどうしたんだよ」

「あん時さ…」


落下の勢いで脳震とう起こしたんだな、俺。
水中から水面が見えててさ、浮かび上がんなきゃっーて思うんだけど、なんかぼんやりしちゃって体が動かなくて。

水面がだんだん遠くなるんだよ。明かりが小さくなって。
ああ沈んでく…、俺死んじゃうかもって思ってさ。
怖くはないんだ。苦しいとかもその時は分かんなかったなぁ。ゆらゆら漂って、むしろ心地よいくらいだった。

そしたらさ、なんか見えたんだよね。

俺に向かって、降りてくる…誰かの姿が。

誰だろうって思って、だんだん近付いてくる姿を一生懸命見てたんだ。
そしたらさ…それ、工藤だったんだよ。

にこって笑って、なにやってんだよって感じで俺に手を伸ばしてきてさ。

それがさ…妙に格好良くて。

すっげえ優しく笑っててさ、あれ、俺こんなふうに工藤に優しく笑いかけてもらった事あったかなーって思っちまって。

そんで、ああこれ天国からのお迎えなんだって思ったんだ。
工藤の手をとったら俺死ぬんだって。
え? オレ死んでねえぞ、って、分かってるよ。
俺もその後すぐにイヤイヤ工藤生きてるはずだし、そしたらお迎えじゃねえしって思いなおしたよ。

つまり……あれだな。

俺の願望だったんだよ。

死ぬんなら、その前にもう一度工藤に逢いたいって…その願望が、格好良い工藤の幻を連れてきてくれたんだなー。
いやもう、マジ格好良かったもん、そん時の工藤。俺…どきどきした。

すごくどきどきして、手を伸ばしたんだ。差し伸べてくれる工藤の手に向かって。
もう少し。もう少しで届くって思いながら、一生懸命に手を伸ばしてさ。
届けば、工藤がよしって言って抱き締めてくれると思って…。

工藤に抱き締めてもらいたくって……それで、気が付いたらいつの間にか水面に出てたんだ。

ゲホッてしたら、口からいっぱい海水が出てさ、辛いし、小魚でも飲み込んでたら気を失うと思ってヒーーッてなって、一気に正気に戻ったよ。

だからさ。
こうして下から工藤を見上げてると、そん時のすげぇ格好良かった工藤を思い出すんだよ。
さっきからこう…本読んでる工藤を見上げてるだけでどきどきが止まらなくて。
だから、今こうしてるの、俺すっげー幸せなんだ。


「快斗」

「うん?」

オレは椅子に座ったまま快斗に手を伸ばした。
一瞬目を見開いた快斗は、パッと顔を赤らめた。そしてオレの手を掴むと、起き上がって、膝を着いて、オレの腹に抱きついてきた。

─────しゃーない、読書は一休みだ。

「バカ快斗。オレが格好良いって今さらだろ。幻くらいで驚いてんじゃねーよ」

「そう言われると、なんかムカつくなぁ」

抱き締めると快斗は小さく肩を竦め、オレの胸に顔を押し当てた。




20130503

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