名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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あと数秒のバースデー(コナン&キッド)
※本日新一くん誕生日という事で、たまにはと、乗っかってみました(^_^)/
※軽甘ショートです。
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ふわんとカーテンが膨らむ。
パソコンから目を離すと、ぽん、と背後で音が響いた。

そしたら紙吹雪や花びらが舞う中に、いつの間にか白い姿の怪盗が佇んでいた。

「よう、誕生日おめでとう! 名探偵」

「んだよっ…、なんでおまえがここに?!」

「祝い事だ、細かいことは気にすんな」

ここは工藤邸のオレの部屋。
今のオレは江戸川コナン。
現れたのは、小振りだけど美しい薔薇の花束を携えた怪盗キッド。

時計を見る。ギリギリ23時58分。5月4日の。

「……バーロ。盗人に祝ってもらったって嬉しかねーや」

「酷でェ言われようだな。名探偵が寂しがってんじゃねーかと思って来たのに」

「余計なお世話だ」

気付かない振りをしていた心の奥底を言い当てられて、オレは少しばかり慌ててそっぽを向いた。

「てか、オレの誕生日なんで知ってんだよ」

「まずは〝敵〟を知らないと、ウラもかけないだろ」

怪盗が一歩オレに近づく。オレは左手を持ち上げた。

「眠らすぞ」

「ホントかわいくねーなぁ。今夜はやめようぜ、そういうの」

「なにしに来たんだ、おめー」

オレはくるりと椅子を回して飛び降りた。

「だからさ、名探偵も俺と同じだろ。正体を隠してるわけだ。つまり〝本当の自分〟の誕生日を知ってる人なんて」

「…………」

べつに。誕生日くらい。
そう言おうとしたけど、いかにも強がってるみたいで言えなかった。

ちらりと見上げると、怪盗は腰を屈め、オレに花束を差し出して微笑んでいた。
紐飾りのクローバーが揺れて。

「……なんだよ。おめーのマジックか、これ? あと少しで〝今日〟が終わるとこだったのに」

「ハッピー・バースデー。最も出逢いたくなかった〝恋人〟、あなたに」

薔薇の香りに包まれる。

誕生日の最後の数秒。
膝を着いたキッドの胸の中で、オレは祝いの言葉を受け取った。




20130504

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