名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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噂の二人 part IV《2/3》
カテゴリ☆噂の二人
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「自分が蒔いた種でしょう。みんなのせいにしてはいけません」

学校中に祝福…いや激励されながらの帰り道、川沿いの道に出てやっと二人になったところで白馬が諭すように言ってきた。
ケッ、わかってらあ。

「みんなの決定に任せる、なんでも協力するから……と宣言して眠ってしまったのは君なんですからね」

「うっせーな、だからちゃんとやるって言ってんだろっ。ちくしょー、白雪姫の大爆笑マジックバージョンやってやる!」

「だめです」

「…んだよお」

「クラス全員がやる気になって、これ以上ないほど一つにまとまろうとしているんですよ。恥ずかしいからといってぶち壊すような真似は許しません」

「……………」

この~。さっきはハラ抱えて散々笑ったくせに、しれっとした顔でもっともらしいコト言いやがって。
テメーはいいさ! ニクったらしいけど、これ以上ないハマリ役の〝王子様〟だもんな!
俺なんか…、俺なんか…〝お姫さま〟だずえ??

青子たちの用意するヒラヒラふわふわリボンが付いたドレスが目に浮かんだ。
体育館の舞台の上で、それを着る俺……。どう考えてもヂゴクじゃん (>_<)!!!!!

「だぁーーっ、やっぱ無理っ!! 断る! 明日の朝礼で土下座してでも、やっぱり断る~~っっ!」

そん時。
突然〝おーほっほっほ〟と、聞いたことある高笑いが背後から浴びせられた。

────紅子。いや出たな〝魔女〟!!

「これはこれは王子様と白雪姫。相変わらず仲のおよろしいこと」

いつの間にか俺と白馬のすぐ後ろに立っていたのは、従者をしたがえ艶然と微笑む小泉紅子だった。
なんでオマエまで現れやがる?!これ以上ハナシをややこしくすんなってんだ。

「小泉さん、どうしてここへ?」

白馬もいくらか驚いたように紅子を見ている。……ココロなしか顔が赤けーぞ白馬。突っ込んでやりたいが、そんな余裕も今はない。俺は紅子を無視してどかどか歩き出した。

「ウフフ。お姫様はご機嫌斜めのようね。でもよくって? 私は〝真の魔女〟───王子の心はそう簡単には渡さなくてよ」


ぽう、と熱を背に感じて振り向いた。


すると、白馬と紅子の周りがうっすら緋色の光に包まれているのが見えた。紅子が差し伸べた手を、白馬がかしづき手に取る。

・・・あ。

俺が見てる前で、王子は魔女の細い手の甲にキスをした。

俺はダッシュで駆け出した。




なんでえ、なんでえ。
白馬のヤツ、あっさり魔女の手の内に転んでやんの。なーにが白雪姫だ、なーにが王子だ、バカやろう!!

何でか分かんないけど頭に来て、道に転がってた空き缶を思いきり蹴飛ばした。

カンケンカン、コン、カラカラカラ。

派手な音立てて空き缶が川原に転がる。…やべ。空き缶は拾って捨てましょう、だった。今月の美化の標語。

ため息を付いて、自分が蹴飛ばした空き缶に追い付いて拾い上げる。そしたらまた白馬がやってきた。しつけーな。

「んだよ、もう。オメーんちあっちだろ。帰れっ」

俺のイライラを例によって軽く受け流し、白馬は俺に何かのプリントを差し出した。なにこれ。

『2年B組・白雪姫』

は?

「小泉さんがさっき現れたのは、これを僕らに手渡すためだったんです。まだ原案ですが、劇の台本の第一弾とか」

もう?! どんだけやる気なんだよ(@@)!

「…いらねー」

「目を通して、各自イメトレしておくようにと」

「いらねー! あらすじ知ってるし」

「かなりアレンジされてるようですよ」

「よこせ」


いやな予感は当たった。


のどに詰まった毒リンゴがとれて目覚める白雪姫。案外王子との絡みは少ない。もちろん原作はチェック済みだ。だからなんとかなると内心算段していたのに。

────ラストが『眠れる森の美女』になっちゃってた。
すなわち王子がキスして姫が目覚めるという、アレに。

何。何で。なんでだよ。



ふ・ざ・け・ん・なーーーーっ!!!



夕暮れの堤防に、俺の〝断末魔の声〟が響きわたった。







噂の二人 part IV《3/3》へつづく


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