名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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噂の二人『白雪姫』リハ《2/2》
カテゴリ☆噂の二人
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「し…、白雪姫さまぁっ!」

楽屋(体育館の〝女子〟更衣室)から出たところで、居合わせた裏方の悪友どもにいきなり跪かれた。

ヤバい。キッドの変装と同じで、ここまで変身させられると、意識せずとも成りきってしまう。

リハなのでメイクこそされてないが、誰かの親のツテでどっかの撮影所から借りてきたカツラをかぶって、ドレスは衣装部特製オーダーメイドの新品。
このカッコしちまったら、黒羽快斗の言動は逆にしにくい。青子たち衣装部の勝利だ。

『オイ、ほんとに快斗かよ……やべー、オレ惚れそう!』 とか。『白雪姫チョーカワエエ!! びびった!!』とか。

冷やかしも入ってんだろうけど、聞こえてくる声にさらにその気になる。俺ってこういうとこ、ノリやすいんだよな~。


────姫、こっちへ!

リハーサルは準備段階から始まってる。当日と同じ移動ルートを使って進行部の案内で暗幕の裏を通って舞台裏へ。

王子と魔女は下手側だから、舞台上で会うまでその二人の仕上がりは見れない。

紅子のやつ、少し遅れるとか連絡してきたらしいけど、わざと時間ずらしてロクでもねーこと企んでるんじゃねえだろうな。
リハーサルだから、まだそれはないか。

万が一、紅子がなにかするとしたら、やっぱり本番────?


もし…もし〝魔女〟が何か事を起こす気になったら…どうなるんだろう。
白馬があんな事を言うから、俺まで上演中に何か起きそうな気がして不安になってくる。

目の前では色違いの帽子を被ったこびとの衣装の仲間たちが互いにじゃれ合ってた。男子二人+女子五人、クラスで小柄なヤツばかりだから、なんかくっつき合ってるのを見てるだけで微笑ましい。


・・・まさか、ね。

俺が怪盗キッドの時ならともかく、クラスメートでいる時に、紅子が本物の魔術を使うようなことはしないだろう。
だけど…もし、みんなで作り上げてきた『白雪姫』をぶち壊すような真似をしたりしたら、許さねえぞ紅子。

……あれ。

今のせりふ、白馬に俺が言われたやつだ。いつの間にか俺もクラスの一員としてがんばる気になっちゃってる。

だよな。紅子も同じはずだ。

いろんな雑務をしてくれた裏方含めてクラス全員の作品なんだ。おとぎ話だなんてバカにすんな。男がヒロインやっからって、お笑いだと思うなよ!!
よっしゃー! 気合い入ってきた。


リハーサル、魔女の出番は後に回して、先にこびとと出会った白雪姫のシーンから。

演出部からサインが出る。
俺は軽やかな白雪姫の脚捌きで舞台中央に駆け出した。

歌いながらクルクルこびとたちと踊る白雪姫。あまり完璧に女声にしちゃうのも不自然なので、できるのにできないふりする加減が超難しい。

そこに通りかかる白馬の王子。二人の出会いのシーン。

体育館にはクラスメートと先生たち数人しかいないけど、それでも舞台上の初めての出会いのシーンに注目が集まっているのを感じた。

────なんか、警察のサーチライトに照らされてポーズ決めるときの怪盗キッドの気分に似てる。

俺って、やっぱエンターティナーの血を引いてんだな。壇上でライト浴びると……自分が自分でなくなるみてえ。
マジックも〝演じる〟という点では同じなんだから当たり前か。

歌を口ずさみながら振り向いた。

少し離れた位置に、白雪姫を見つめる〝フィリップ王子〟が立っていた。


俺は────絶句した。

白馬のフルでの王子姿を見るのは俺もこの時が初めてだった。

上から下まで、ほぼ白で統一された衣装。白い羽の付いた帽子。白のブーツ。さらには長く広がる純白のマント。

真っ白いその姿は。
まるで……まるで、怪盗キッドじゃん!

そう思ったら、突然俺は白雪姫から黒羽快斗に戻ってしまった。急に可笑しくなって、我慢できなくなった。

「あは。あははは!」

突然ハラ抱えて笑い出した壇上の白雪姫を、その場にいた全員が呆気にとられて見つめていた。









20120917

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※ひい、書いてるうちにどんどん間延びしてます……。毎度謝っておりますが、今回もやっぱりすごくスミマセン(>_<)ゞ
もう少しお付き合い下さいませ…(*_*;


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