名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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硝子の欠片3《2/3》(白馬×快斗)
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俺は裸足にスニーカーで走っていた。

逃げてく白馬を追いかけて。



『待て』なんて声をかけるのはドラマの中の話だ。声なんかかけたら追ってるのがバレちゃうし、声を出すことによって息が乱れ、走る速度がガクンと落ちる。

だから俺は無言で走って、家から100メートル足らずで白馬に追い付いた。

真後ろまで迫ったら白馬が気配を察して振り向いた。
その時の白馬の顔。
目をまん丸にして、口をポカンと開けて。挙げ句に脚をもつれさせて『うわっ』と言ってすっころびかけた。

「俺から逃げられっかよ、バァカ」

前に出て振り向き、仁王立ちして言ってやった。
白馬が体勢を立て直して俺に怒鳴る。

「黒羽くん、なんて格好してるんです!」

「は?」

「短パン半袖シャツに素足で走ってくるなんて信じられません。寒いでしょうが!」

「風呂上がりだぜ、舐めんなよ」

何を舐めんだか分からないが勢いで怒鳴り返したら、近くの公園からてくてく出てきたお爺ちゃんに『若えもんはそうでなきゃなぁ』と誉められた。

「ほら見ろ」

「アホだと言ってるんです、あの方は」

「なんだとぉ。…へ、へ、ヘックション!」

「ああ、だからもう早く帰りなさい、風邪を引きます」

「うるせえな。それよかテメーはなんでここにいんだよ!」

「そ、それは…別に…、君のところに来たわけではなく」

白馬が口ごもる。制服姿のままってことは、あれから今までずっと外をほっつき歩いていたってことなのか。

「ただ歩き回ってたら、たまたまこのあたりが君の家だと思い出して…なんとなく前を通りかかっただけで──、ハックション!」

ブルッと震えた白馬が、らしからぬ派手なくしゃみをした。

「わははっ、坊ちゃんがクシャミ~」

「坊ちゃん坊ちゃん言わないでください、僕は…!」

白馬が俺を正面から見つめてくる。

「黒羽くん…一つ、訊いていいですか」

「んだよ」

「さっき窓のところで、なにか言ったでしょう」

「えっ」

「なんて言ったんですか」

「知らねーよ。憶えてねえ」 

「君は…言いました。だから僕は思わず足を踏み出してしまったんです。そうでなければ姿を見せずに帰っていた」

「あ~っ!! さてはストーカーか、テメー! 学校どころか家にまでコソコソ付いて来やがって!」

「ちが…っ、そう言われるんじゃないかと思ってましたよ! そうじゃない、僕はただ…、何度も言わせないでください」

ここで笑い飛ばしてしまえば──もしかして今日の屋上でのキスも、白馬の告白も、全部スルーできるかもしれない──なんてチラと思った瞬間だった。


グゥ~…キュルル。
グウゥゥゥ・・・。


俺と白馬の腹の虫が、同時に鳴ったのだ。それもハミングするみたいに掛け合いで。
互いに真顔になっていたから余計インパクト強大になった。

白馬が真っ赤になって俯くのが面白くて吹き出すと、白馬も口を押さえて笑い出した。

近隣の住人が庭先からこっちを見ている。
寒いし腹は減ったし人目も気になるし考えるのも面倒になって、俺は『来い』と白馬を誘った。それこそ白馬に風邪を引かせてこれ以上余計な負い目を背負いたくない。
軽い気持ちで、クラスメートならこうするだろうと思って。

だけどそれは俺の甘えだった。

白馬の想いと、まだよく解っていない自分の気持ちとを、俺は甘く見ていた。






つづく
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※え、えーと・・・続きもあまり間を空けずに書きたいと思っています(*_*;

●拍手御礼
「迷い鳥」「告白~風に消えた怪盗」「硝子の欠片3」へ 拍手ありがとうございました(^_^)ノ

拍手コメント御礼!は、この話の区切りがついたら年内に!必ず!と思ってますので…今しばらくお待ちください。
いつもありがとうございます!!


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