名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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束の間の再会(バーボン×快斗)
※カテゴリ★インターセプトのパラレル的後日談(汗)。
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ハザードを出して車を寄せると、黒羽快斗はすぐに僕だと気付いたようだ。

肩に学生カバンを担いだまま、表情を変えることなく立ち止まった。



「やあ。久しぶり」

ウィンドウを下ろして声をかけた。

「怪我、治ったんだ」

「とっくにね。乗るかい? 送るよ」

背を向けるかと思ったが、案に反して黒羽快斗は助手席のドアを開けると中にスルリと乗り込んできた。
間髪を入れずアクセルを蹴る。
車体が振れ、タイヤが派手な音をたてた。

「アブねーな。それでもお巡りかよ」

傾いた体を起こし、黒羽快斗がシートベルトに手を伸ばす。

「今日は非番なんだ。半年ぶりにね。やっと君に会いに来られた」

「なんで?」

僕の方を見ようともせず、そっけなく言い放つ。やはり強情だ。

「君が心配しているかもと思ったからさ。〝あの夜〟のことを僕が口外しやしないかと案じてるんじゃないかってね」

「へー。恩に着せにきたの」

「違いますよ」

頑なな黒羽快斗の声音に、つい反論してしまう。

「言い訳をするつもりはありません。ああして君を抱いたことに意味付けするつもりもない。ただ……」


ただ。

尋常な状況では起こり得なかった〝情事〟だった。

あの時、僕は組織のメンバー〝バーボン〟として捕らえた〝怪盗キッド〟を一晩自由にする権利を得たのだ。

いま横にいる黒羽快斗と、あの夜の怪盗の素顔とを合致させようと苦心している自分に気付いて自問自答する。
間違いなく、同一人物のはずだ。

大捕物の事後処理は長引いた。ようやく目処が付き、FBIが日本を去ったのはほんの数日前のことだ。
一つが片付いても世界ではまた新たな事件が起きている。
赤井たちは今もどこかで身を危険に晒しながら、際どい勝負を仕掛けているのだろう。


「──でしょ」

「え?」

黒羽快斗に話かけられていることに気付いて、僕は聞き直した。

「すまない、もう一度。なんだって?」

「嘘なんでしょ、って言ったんです。俺を安心させるために来たなんて」

「まあ、君がちゃんと普通の高校生に戻れているのか会ってみたかったのもある」

「自分で気付いてないんだ」

「なんのことだ?」

赤信号で停車した。
助手席の黒羽快斗と、ようやくはっきり目と目が合う。

ふっと微かに口元を緩ませた黒羽快斗に、一瞬ドキリと胸が鳴った。
情事を思い出したわけではなく、大きな蒼い瞳が見透かすような鋭さを持っていたからだ。


「口止めしたかったのは───降谷さん、あんたの方だろ」


パパッとクラクションを鳴らされて我に返った。
車を降りた黒羽快斗はとうに雑踏に紛れている。

静かにアクセルを踏み込みハンドルをきると、僕は何事もなかったように車を加速させた。
五分にも満たない、束の間の再会だった。

そう、かもしれない。

黒羽快斗が言ったとおり、あの情事を赤井に知られたくない──そんな負い目を自分が抱えていたことに初めて気付く。

「やれやれ。工藤くんも苦労するな」

最後に見た白い姿の怪盗を思い浮かべて僕は小さく頭(かぶり)を振った。
怪盗キッドの正体を知ったところで、ミステリアスな少年の謎は簡単に解けるものではない。

次に赤井に会えるのは何時だろう…。

まんまと黒羽快斗に翻弄された自分に呆れながら、抑えていた赤井への想いが噴き出すのを覚えていた。

マジックに引っかかったような気分だ。

後味は、悪くなかった。







20170212
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※ちょっと漠然としちゃいました…。自己満足ですみません(*_*;


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「同棲未満」「秋憂」「真贋」「囚人」「ルパン三世VS怪盗キッド」「しのぶれど」「心の中で呟いて」「シンデレラ・コンプレックス」へ 拍手ありがとうございました(^_^)ノ


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