名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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Design by:タイムカプセル
 

休息(コナン&キッド)

――――――――――――――――――

やべえな。目が霞む。

深夜、ビルの狭間の小さな公園に降り立ち怪盗から黒羽快斗に戻った俺は、ふらついて地面に膝を着いた。


近くのベンチに腰掛け、黒のキャップを深く被り直す。

――おかしい。なんだか疲れてやたら体が重い。頭もオーバーヒートしたように痺れて、思考が全くまとまらない。

すぐ立ち去るべきなのだが、どうにも動けず俺はベンチにごろりと横になり、少しだけのつもりで目を閉じた。




闇に包まれ目を閉じていても、俺はやっぱり独りだった。夢にすら誰も出てこない。
独りでいることに不満はない。寂しさには慣れている。人と繋がることで癒されたとしても、いずれ失うのであれば最初からない方がいい。その方がずっと楽だ――。




ペタペタと頬を触る小さな手。

小さな子供の手だ。

起きてよ、と声がする。

うん、でも眠いんだ……とても。

でも…ここで寝てたら風邪ひくよ?
ボクんちのお隣のおじさん呼ぶね。車で迎えに来てもらうから。

――え? ……そんなことしないでいいよ。少しこうしてれば元気になるから。そうしたら自分で歩いて帰れるから。

でも――

でも、なんだい。

お兄さん……さっきから泣いてるよ……。



―― 急速に意識が浮かび上がる。

ここは、どこだ。いまの声は。

目を開けると、見覚えのある子供の顔があった。あれ…誰だっけ……。

夢じゃないのか?

それともこれが夢なのか?

だとしたら、いったいどこから夢なのか?

体を起こそうとしたが起き上がれず、俺は近づく車の音を聞いていた。頬には小さな掌が触れている。

――いいか、夢なら。

めずらしく人が出てくる夢。

どうせ動けないんだ。このまま、夢の向かう先まで。
小さな手の男の子の言うとおり、どこかへ運んでもらおう。そうすればもっと深く眠れるのかもしれない。
深く眠って―――優しい小さな温もりに安堵して。

優しい闇の中に、溶けてゆくように。






20120126




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