名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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★あふる様、拍手コメで情報ありがとうございます!!m(*^^*)m
★林檎さん「疑心暗鬼」へ拍手コメどうもです! いま言葉にしておかなくては、と思うくらい快斗くんも不安だったのでしょう…。ということで(^^;)。
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HELP《1/2》(新一×キッド)
※映画〝天空の難波船〟より、2011.12.8 ~ 9up「罠」と同ベース設定の別パラレルです。(*_*;
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「およしなさい、プロの傭兵が高校生一人に寄ってたかって何をするつもりです!」

凛と響く声が、広い空洞にこだまする。

「誰だっ」

オレのシャツを剥ごうとしていた男が叫ぶ。
シュッと空を切る音がして、男たちの足元にトランプが一枚突き刺さった。

「怪盗キッド!」

「どこだ、降りてこい!」

男たちが口々に怒鳴る。

飛行船上層通路の一段上から、ひらりと白い姿が舞い降りた。長いマントが無機質な床に生き物のように広がる。

「キッド…!」

オレは焦った。
なぜ、なぜいま現れるんだ。この状況では拙い。おまえまで…!

「子供相手に自由を奪って、四人掛かりでみっともないとは思わないのですか」

「だ…っ」

誰が子供だ!オレはもうちゃんと高校生の工藤新一だぞっ!!…と、 状況を忘れてオレは心の中でキッドに言い返していた。

「ふん。ガキだと甘く見て、もう三人もコイツにやられたんだ」

「なあ怪盗キッド、おまえも一緒にどうだ? わざわざ自分から姿を現したんだ、ソノ気があるんじゃないのか」

男たちが下卑た声で哄う。マシンガンや大型のミリタリー銃、サバイバルナイフを装備している、体力的にも屈強な連中だ。
キッドは相変わらずポーカーフェイスを貫いているが、この状況はマズ過ぎる。いったいどうする気なんだ。

見上げると、オレと目が合ったキッドが微かに笑った。両腕を後ろで拘束され、服を乱されている自分の失態に思わず顔が熱くなる。

「〝ソノ気〟とは? あなた方がこの探偵に加えようとしていた辱めの事をおっしゃっているなら、返事はノーです」

「上品ぶってんじゃねえ。てめえだって犯罪者だろうが」

「そうだキッド、おまえが俺たちの相手してくれるっていうんなら、このガキを放してやってもいいぜ」

オレを抑えている男の言葉に耳を疑う。

「馬鹿言うなっ!」

思わず声が出た。こいつらが言葉通りオレを放すはずがない。

「取引ですか…。気は進みませんが、交渉の余地はなさそうですね」

「ほう。物分かりがいいな。怪盗のくせに、そんなにこの探偵を助けたいのか。なぜだ」

「もともと私の獲物だからです」

少し間をおいて、そりゃあいい、なるほど、と男たちが爆笑する。キッドのポーカーフェイスは微動だにしないが、オレは身動きがとれないまま、なぜか熱を持つ顔を隠すように床を見詰めるしかなかった。

キッドの背後に二人が回り込む。

「キッド、逃げろ!」

叫んだ途端、ガツンと銃の台座で肩を打ち据えられた。苦痛に息が詰まって、汗が滲む。

背後の一人がキッドに手を伸ばすと、キッドは白い手袋の指先でその手をバシンと払った。

「お気遣いなく。自分でやります」

ヒュウと口笛を吹く別の男。
その時、オレの背後の男が持つトランシーバーに通信が入った。

〝おい、どうした! 工藤新一はいたのかっ?〟

「いえ、引き続き捜索中。傍受の可能性があるので、一度回線を切ります。30分後に再開」

〝大丈夫か? 油断するなよ〟

「了解」

回線が閉じられた。
オレを抑えている男以外の三人が、キッドに向かってあらためて銃口を向ける。

「さあて、これで邪魔は入らねえ。時間は限られている。さっさと愉しませて貰いましょうか、天下の大怪盗キッドさんよ」

舌なめずりするような男の声を意にも介さず、キッドはマントを肩から外し、くるくると丸めてトランプ銃と共にシルクハットの中に入れ床に置いた。

「小細工はなしだぜ。少しでも下手な真似をしたら撃つ!」

猛った声を出した背後に立つ長身の男を振り向くと、キッドはその男に近づいて両腕を持ち上げた。

(あっ)

キッドが…男の首に手を回し、自分からキスをする…!!

オレは目を瞑った。思いも寄らぬ動揺に見舞われる。

ガチャリと銃器が床に落ちる音が聞こえ、オレは目を開けた。長身の男がキッドの腰に腕を回している。キッドは男から唇を離すと自分の上着を脱ぎ始めた。銃を構えた二人の男たちが息を呑む。

「おい、油断するな!」

「…………」

オレを抑えている男の力が徐々に緩んできていた。他の三人に注意を与えながら、この男自身も目の前のキッドの妖艶さに惑わされている。

キッドが上着を脱ぎ捨て、タイに指を伸ばす。

「…おっと、なんだ? これは」

長身の男が突然キッドの手首を掴んで捻りあげた。無言のままキッドが唇を引き結ぶ。
男はキッドの赤いタイを引き抜くと、タイに顔を近づけて口を歪めた。

「この糸はなんだ!? やけに素直に絡んできたと思ったら、やっぱり俺たちを引っ掛ける罠だったのかっ。ふざけやがって!」

ガツッと音がして、キッドが上体を揺らす。男に殴られたのだ。男の手がキッドのブルーのシャツの襟首を掴み、そのまま一気にキッドのシャツを引き剥いだ。




HELP《2/2》へつづく

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