名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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サクセスムーン~屋根上の猫~(新一×快斗)
※快斗くん視点。ショートです (*_*;
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月には不思議な力があるんだ。

最も多くその恩恵を受けることが出来るとされているのが〝サクセスムーン〟。


「快斗」

「んー?」

「そろそろオレに告る気になったか?」

「…さーねー。どうしようかな」

深夜になって月見をしようと、俺が誘った工藤邸の屋根の上。
先手を取られて胸がドキリと跳ね、屋根に置いた手は情けないくらいに震えている。

夜風に吹かれて、猫みたいに二人並んでとんがり屋根に腰掛けて。
頭上には願ってもない満月─────目的を成就させるという〝サクセスムーン〟が煌々と輝いて、俺たちを見守っている。

「オレはおまえが好きだぜ。怪盗だった時から」

「………引っ張ってきたわりにはアッサリ言うね」

互いに前だけを見ていた。

屋根から見下ろす町並みは静まり返り、どこか知らない場所にいるかのようだ。
建物や木々が満月に照らされて不思議な陰影を作り出し、だんだん…おとぎの国の景色のように見えてくる。
俺たちは猫。
惹かれる心を持て余し、遊びのように恋の鞘当てにうつつを抜かす。
─────これまでは、そうだった。

「…………」

言うんだ、俺も。
この月の下で。俺も応えるんだ。そうすれば、成就する。

「す…」

やっと声に出しかけた時。
突然ぐいっと頭を掴んで引き寄せられ、俺はバランスを崩した。

「…て、わあっ」

ずるっ、がたん!ずるずる!!

「バッ…、アブね落ちるっ…!」

背中を着いてずり落ちながら、覆い被さってきた工藤に口を塞がれた。
驚いたけど、工藤の閉じた瞼と睫毛がやたらに近いなぁ、なんて思いながらボーッとなって。

屋根の端っこの出っ張りで止まって落ちるのを免れ、互いにしがみ付きあいながら俺たちは短いキスを繰り返した。
…キスってこういうもんなんだ、とか、どうしてキスが特別なものなのか…とか思ったり納得したりしながら。

「俺も、工藤が……」

やっと隙を縫って告り返そうとしたら、またチュウッとされて言い損ねた。

「……言わせろよ!!」

「もったいないから、次にとっとけ」

「ええ?」

「次の満月まで、楽しみにしてるからとっとけよ」

「ずりぃよ、自分だけ」

「おまえがなかなか言わないからだろ」

「そりゃ…だって」

「今夜はオレの勝ち。悔しかったらもっと盛り上がるシチュエーション用意しろよ」

「きたね。俺が屋根に誘ったんじゃん! ハードル上げんじゃねえ」

ハハ、と笑った工藤に、仕方がないので俺はおとぎの国の言葉で今夜の分の返事をした。

にゃあー。

なんだそれ。
猫語でスキって意味。

恋人同士の他愛ない戯れに、美しいサクセスムーンの光が降り注いでいた。




20130424

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※お題『サクセスムーン』でした(+_+)。
隣の哀ちゃんが目撃してた可能性はあるかも。博士は早寝だから大丈夫…(^^;)。

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