名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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溶解パラメータ(新一×快斗)R18
※〝新快OKな18才以上の女子の方〟以外はページをめくらないで下さいませ(*_*;
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  弦月が傾く深夜。

  消え去ったと思った怪盗は、オレの部屋の片隅でうずくまっていた。黒衣の少年の姿をして。



「快斗」

  驚いて声をかけると、頷くでもなく、ただ顔を上げて快斗はオレに瞳を向けた。

「なんでココにいるんだよ」

「…………」

  答えない。

  ふらりと立ち上がった快斗は当たり前のように上衣を脱ぐと、オレのベッドにどさりと倒れ込んだ。
  首を持ち上げ、半分髪に隠れた眼差しだけでオレを誘う。
  駆け込み寺かよ。心の中だけで呟いた。


  時々、快斗はこんなふうに不安定な面を現す。闇に紛れ、何も言わずオレを求めにやってる。
  訊いても答えないのだから、オレも訊くのはやめにした。
  ただ何かを埋めるために。あるいは消し去るために。僅かに散らばる記憶の小さな欠片まで、そのすべてを熱し融解させてしまうまで。何かに憑かれたような夜が訪れる────。




   こんな夜の快斗は躊躇がない。自らを投げ出すように、オレに縋ってくる。
   うつ伏せに押し付けて背中を抱き、肩に口付けた。痕が遺るほどキツく歯をたてる。鬱血した皮膚を舐めると、仰け反った快斗の柔らかな髪がオレの頬をなぶった。そのまま首筋に顔を埋めて手を伸ばし、指だけで快斗を追いつめてゆく。

  快斗もオレにやられてばかりではない。どっちがどっちかわからなくなるまで互いを愛撫し合い、高まりを共有する。
  呼吸も鼓動も体温まで溶け合って一つになり、烈しい閃光に打たれては眩んで体をしならせる────。


  ハァハァと息を荒げた快斗がシーツに体を沈ませた。汗ばんだ半身がサイドライトに照らさせて光っている。そのラインが眩しくて、ほんの一時目を細めた。

「もう降参かよ。だらしねえな」

  ホントはオレも一息付きたいところだが、ここは強気でいく。快斗の望む通りにするだけなんて癪だからだ。
  腕を付いて瞳だけをオレに向けた快斗が唇を噛む。

「動けないなら、やってやるぜ」

「…………」

  ぐいと快斗の体を仰向けに返す。無言のまま、快斗がオレの腕を押さえて睨み上げてくる。

「文句あんのかよ。望み通りだろ」

  わざと嘲るような言葉を吐きかける。
  快斗は無言のまま、まだ一言も言葉を発していない。なんとかこじ開けたい。頑なな唇を。

────まだだ。もっと。もっと灼け付くくらいに。
  中途半端では逐われない。完全に溶け合い一つになるために、快斗を本気で蹂躙する。完全にオレの一部となるように。

  両方の足首を掴んで大きく持ち上げ、これでもかという嗜虐的な姿勢を快斗に強いる。するとオレの胸に当てた手を突っ張らせ、快斗が今夜初めて目を逸らせた。

「ふうん。こういうのがしたかったのかよ」

  顔を背けたまま、快斗が睫毛を震わせる。その様子を見て、マジで高揚する。マジで全身が熱くなる。
  オレは潤ませた指先を快斗の後ろに押し当ててからわざと一度離した。びくんと震えた快斗をなぶるように、周辺をしばらく彷徨わせる。堪えきれなくなった快斗がやがて息を吐く。そこを狙ってグイと指先を押し込んだ。

 ア、と、快斗が声を上げる。
いい声だ。もっと聞きたい。

「声出せよ、もっと」

「…………」

「声、聞かせろって」

  更に深く指を押し込み、快斗の体内を思うさま弄る。びくびくと収縮する熱い体がオレの指を包んで圧迫してくる。快斗の中に溶けてゆくような錯覚を憶える。

「快斗」

「…………」

  薄く目を開けた快斗に覆い被さり、頬にキスした。もう一度。
  すると、快斗がわずかに顔を寄せてきた。

快斗……。

  唇を合わせた。
  脚を抑えつけたまま、深く咥内をも侵す。快斗の熱い舌を絡めて強く吸った。快斗が首を振り、声にならない呻きが漏れる。後ろに挿し入れている指も同時にきつく締め付けられる。
  快斗が苦しがってもがいても許さず、オレは気が済むまで快斗の唇を貪るように味わい続けた。

  文句を言うかと思ったが、快斗は何も言わなかった。眉をひそめ乱れた呼吸に胸を上下させながら従順にオレの行為を受けている。
  そろそろ頃合いだ。
  浅くキスを繰り返しながら息を整え、熱く収縮を繰り返す快斗の後ろにオレ自身を押し当てた。

  最後は一気に貫いた。
  深く、激しく。
 アアア、と快斗が叫ぶ。
  勢いのまま何度も快斗を突き上げる。
  つらいのか、あまりに感覚が極まったのか、快斗の眦から涙が伝っている。
  火照った肌。愛おしい。揺さぶるほどに高ぶって、互いの限界がどこだか分からなくなる。

もう、なにも考えられない。
快斗も。オレも。
ただ、完全に溶けて混じり合う確かな予感に向かって、ひたすらしがみつく。

快斗……。

もう、いいか?

溶け合って、オレたち……一つになれたか?

不純物などない、ただ、二人だけの世界に。
一つの塊になって────。











  気が付くと、快斗は服を着てベッドサイドのスツールに腰掛けていた。

「……何時だ?」

  さあ、と言うように肩を竦める。

「よく起きれたな」

  マジでそう言った。そのくらい激しく抱いたつもりだった。
  快斗が立ち上がる。

「勝手に来て、勝手に帰るのかよ……。バカやろう」

  本当は一人になるのが寂しかったのだが、そうは言えない。オレにも意地がある。
 ようやく体を起こすと、スッと快斗が身を寄せてきた。


────あんがと……名探偵。


「快斗…」

  耳元に掠れ声で囁いたと思ったら、次の瞬間にはポンと音がして甘いラベンダーの香りが室内に漂った。
  快斗は消えていた。

「……ったく。あんにゃろ、とうとう何にも言いやがんねー」

  独り言を言ってみたが、余計に寂しさが募っただけだった。
  最後に聞いた言葉だけが、確かに有った快斗の温もりをオレに残していた。









20121121

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※溶解パラメータ
   ある物質がある物質にどのくらい溶けるのかを示す溶解性の指標。溶解性を多次元のベクトルで表し、そのベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断する。”似たものは似たものを溶かす”、”似たものは似た所にいたがる”。
 (引用語意の一部のため正確な説明ではありません。イメージなので、ご了承くださいm(__)m)


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