名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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kiss《サイドB》新一×快斗

※当初予定していたのとなぜか違う方向へ(**);。イジワル新一でもOKな方だけお進み下さい…。

――――――――――――――――――


0時キッカリのアラームが鳴った。

ほんの数秒前まで俺一人だったはずの俺の部屋に、ヤツが立っていた。


黒羽快斗が。

ドアも、窓も、カーテンすら微動だにしなかった。もちろんオレは居眠りなどしていない。
にもかかわらず、いったいどんなマジックを使ったのか、或いはまるで本当にテレポーテーションでもしたかのように、快斗は突然現れた。

「どっから入ってきた?」

「さあ」

タネはあるはずだ。推理するとしたら――答えは一つ。
オレが戻るより早く快斗はこの部屋に入り、物陰に身を潜めていた。そしてオレがほんの少し時報に気を取られた隙をついて目の前に姿を現した。それ以外にない。…もっとも、ではどこに隠れていたかと訊かれればそれらしいスペースも部屋にはなく、不思議さに変わりはないのだが。

「先に来てたのか」

「………」

快斗は口を噤み、壁に背をもたせたまま視線を逸らした。

「こっちに来い」

「上から言うな。ムカつくんだよ」

「素直じゃねぇな、キッド」

「……俺はキッドじゃねえ」

ご機嫌斜めだ。拗ねた横顔。
しかしこんな事くらいで頭にきていてはコイツは落とせない。そうそう何度もチャンスはないのだ。今を逃したら次にいつ捕まえられるか分からないのだから。

オレから歩み寄ると横顔のまま表情が変わる。悔しそうな、それでいてどこか恥ずかしそうな。俺は微笑む。
気紛れで意地っ張りな恋人。慈しみたい愛おしさと、壊してしまいたくなるような狂おしい衝動の両方がオレの心の内にある。

「好きだ……キッド」

「キッドじゃな――」

快斗の肩を壁に押し付けるようにして捕らえ、kissした。包み込んで、最初は柔らかく。
しばらくもがくように抗っていた快斗が観念したように力を抜くと、オレはkissを続けたまま強く快斗を抱きしめた。



嫌いだよ、名探偵なんか。

オレの動きに揺さぶられ切なく眉を顰めながら快斗がつぶやく。

何にも解っちゃいない。俺の想いなんか、これっぽっちも――。

解ってるさ……。

解っているけど、オレはわざと囁く。快斗の耳にkissして。
愛してる、キッド。と。

快斗が唇を噛んで顔を背ける。ああ。たまらない。体と心が分離する瞬間。オレと繋がっているのは快斗だ。しかしオレはキッドと呼ぶ。快斗はそれが耐え難いのだ。素顔の自分をキッドと呼んで抱かれる事が、快斗の自我を傷付ける。
快斗、と呼んでやればいいのに、オレはそれをしない。
愛おしく想う同じ分だけ、傷付けたくなる。オレだけがキッドを、快斗を傷付けられる、秘めた優越感。オレは汚い。それでもそうせずにいられない。快斗。おまえの哀しげに伏せた睫毛に煽られる。おまえが悔しさと快楽の反比例に涙して喘ぐほどに、オレは狂うかと思うほどに高ぶる。
解ってる。オレは酷い。おまえに対してだけ――酷い事だとわかっていて。
もう一度kiss。

バラバラに砕いてしまいたいほど、愛してる。キッド。快斗。おまえを。





20120128


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