moonlight 新一×快斗

★2013-2014･新快年越しhappy-SP ラスト★
ハッピー・スウィート・ニュー・イヤー《1-B/3》（新一×快斗）
※新一視点でもう一度。遅れた上にまどろっこしくてスミマセン～(+_+)。
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快斗のやつ、解り易すぎる。

コイツが本当にあの〝月下の怪盗〟かと、疑いたくなるほどだ。

思い切って提案した今回のショートステイ。ちょっとクサかったかもしれないが〝一緒に夢を見よう〟とオレなりに意思表示したつもりだ。快斗にもそれは伝わっていると思う。

だがしかし、結局ここまで大きな進展はない。
挨拶のように軽いキスは日に一・二度交わすようになったけど、本当に気持ちを込めて抱擁し合うような…そんな深い口付けには至っていない。

オレのベッドで一緒に眠るのを抵抗なく受け入れてくれて、これは案外すんなりいくかも…と思ったが、甘かった。

快斗のヤツ、逆に無防備すぎて。

こっちは成り行きによっては…と様子を伺ってんのに、すぐ大欠伸して〝ねみー！ そんじゃおやすみ～！〟と言ったが早いか速攻ダウンで、くうくう気持ちよさそうに寝息たてて眠っちまいやがるし。
『寝付きはいい』とは言っていたが、それにしたってオレと二人でベッドインしてるってのに、いくらなんでもアッサリし過ぎじゃねーのか？

オレは快斗の寝顔が気になって…快斗の寝息に聞き耳立てて、快斗の温もりが暖かくて、快斗の鼓動を感じて、眠るのがもったいなくって……ハッキリ言って毎晩なかなか寝付けなくて、夢を見るどころじゃなかったってのに。


二人で過ごした数日間は予想以上に濃密で、何をしても何もなくても楽しかった。好きな相手と共にいられる安堵感。一緒にいるのが当たり前のような充足感…。
だが、それが〝終わり〟に近付くにつれ────快斗の様子が明らかに変わった。

考え込むように俯いて、無口になって。落ち着きなくこっちを見てるのかと思えば、目が合いそうになるとパッと逸らせる。
今ごろになって緊張すんのかよ、と突っ込み入れたくなるくらいだ。

しかしオレの方もいつ快斗が『帰る』と言い出すかと思うと、つい身構えてしまう。下手すると、快斗のやつ、オレが目を離した隙に何も告げずに去ってしまいかねない。

そんなことになったら…。

そうなったら…オレたちはまた別々に生きることになる。
接点なんて本来ないのだ。
高校生同士の素の顔で逢うことの方がイレギュラーで。

次に逢う時は、オレは高校生探偵。

快斗は─────。

 



「快斗」

「…………」

「かいと！」

「えっ」

何度か名を呼んで、やっと快斗が顔を上げた。

「ボケッとしてどうした？ あとはやっとくから、風呂入れ」

「え…、でも」

「いいから」

快斗がハッとしたように目を見開く。

〝いいから〟。

自分の声の強さに、自分でも驚いていた。

そうだ。自分が求めているもの、渇望していたもの。それを今さらのように意識した。

「う、うん。…じゃあ」

快斗は歯切れ悪く頷くと、席を蹴り、それから慌ただしくダイニングを出て行った。
快斗の背を見送って、オレは片付けの手を止めた。

今しかない気がした。快斗と絆を結ぶチャンスは、今しか。





ハッピー・スウィート・ニュー・イヤー《2/3》へつづく
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※次で本当にハッピー＆スウィートになるのか？？ 不明です～(+_+);;。


●拍手御礼！
「ハッピー・スウィート・ニュー・イヤー《1-A/3》」「夜風の香り」「ホワイト・マジック・クリスマス」「拉致」へも(^^;)!!  嬉しいです。ありがとうございます！！

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