moonlight 新一×快斗

グッナイ・サマー・バースデーII《2/2》（白馬×快斗）
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部屋のドアが開く。

自室にたどり着いて安心したのか、白馬のヤツぼんやりして部屋に俺がいるのに気が付かない。

長旅の疲れと、時差のせいもあるだろう。よほど睡いようだ。普段ではまず見ることがない大あくびをしている。
涙目を瞬(しばたた)かせながら荷物を置くとベッドに腰を下ろし、そこでようやく白馬は俺の方へ顔を向けた。

にこりと微笑む。

「…やあ、黒羽くん。どうしたんだい」

言いながら体を傾けたと思ったら、そのまま横になってしまった。

「おまえ、今日誕生日だろ」

「…ああ、そういえば」

俺の言葉にも反応はゆるやかで、つぶやく声もゆったりと間延びしている。
暖かな色の瞳は霞むように揺れていて、俺をちゃんと認識しているのか判らない。

ベッドに仰向けになり、眩しそうに腕を翳す。

「…嬉しいですね、僕の誕生日を覚えていて、夢に出て来てくれるなんて」

「………」

夢だと思ってるのか…。まじで？
だったら何しても夢のせいに出来るかも。

白馬が俺に手を伸ばす。
長くて白い指先。淡いピンク色の爪が綺麗に揃っていて、思わずどきどきしてしまう。

息をひとつ呑んで椅子から立ち上がった。
微睡(まどろ)んで俺を見上げている白馬に近付く。

「眠そうだなあ、白馬」

「…ええ。ずうっと君の夢を見ていましたから」

ふふっと白馬は微笑んだ。まるで幼子のように素直な笑み。温かな波動が部屋を満たしてゆくようだ。

そっと髪に手を乗せ、子供にするように数度撫でてやった。
触れてみたいと思っていた白馬の髪は、柔らかくて俺よりずっとサラサラしていた。

「眠れよ。俺も寝ようかな。おまえが起きるまで一緒に」

「…ええ。是非そうして下さい」

ベッドサイドに座り込んで顔を寄せた。鼻がくっつきそうになるまで近付いても、白馬はおとなしくじっとしている。

「…こんな夢が見られるなんて、素敵なプレゼントですよ。ありがとう…黒羽くん」

「安上がりでいいな」

俺は笑った。

白馬が喜びそうなプレゼントが思い付かなかくて、だけどサプライズはお約束だろうと思い、失敬して部屋で待っていたのだが。
待っていただけでプレゼントだと思ってもらえるなら助かる。

白馬は完全に目を閉じてしまった。微かに睫毛を震わせ、口元に笑みを浮かべたまま。
穏やかな深い寝息が静かに繰り返される。
なんだか俺までぽかぽかして───本当に睡くてたまらなくなってきた。

クッションを一つ拝借してベッドサイドに置き、枕代わりにして寝そべった。

「おやすみ。誕生日おめでとう、白馬」

目が覚めたら…サプライズの本番だ。

薔薇の花束と特製ケーキ。
可愛い鳩とカードのマジックでお祝いしよう。
そして〝ハッピーバースデー〟のkissを贈ろう。特別に。

特別に。






グッナイ・サマー・バースデーII《おまけ》につづく
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※…というわけで前年up『グッナイ・サマー・バースデー』のセルフカバー(???)でした。今年は少しオマケを追加しようと思ってます(^^;)。

●拍手御礼
「グッナイ・サマー・バースデーII《1/2》」に拍手ありがとうございました。

★rina様  またお訪ね下さり、応援メッセージもいただきましてありがとうございます。嬉しいです(^^)/『まじっく快斗1412』楽しみすぎて不安なくらいです～。単行本化されてない原作の最新エピソードもやってくれますかね？？ 宜しければまたいつでも一言お寄せ下さいね！励みになります♪♪

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